2011年7月27日水曜日

身体との会話89・・・慢性期のオスグッド症2


治療の基本である。患部のみを見るのではなくて、全体を見て患部を見る。これが治療の基本である。この形で治療を進めていけばさほど難しくない。慢性期のオスグッド症を見るときに、痛みという症状をみたり、骨隆起のある患部を見るとそこを何とかしなければならないとみてしまう。

どうして骨隆起が起きるのか、痛みが出るのか? そこを全体論的に見ていくことから始まる。全体論でみないで痛みのある部位、変形した部位を何とかしようと対処療法的に進めていくと、一時はいいかもしれないが、再発するといったダラダラ治療になる。

オスグッドの発症メカニズムは、いろいろ言われているが、成長段階の子供が骨の成長に軟部組織が追いつかず炎症を起こして痛みが出る。あるいは、成長段階でスポーツを過剰に行い、膝の軟骨が筋肉に引っ張られて軟骨がはがされるから。

力学的な発症メカニズムとしては考えられないわけでは無いが、成長痛にはむりがあると思う。成長痛に結びつけると成長段階の子供たちは全員がならなければならなくなってしまう。過剰な運動?これも一理はあるだろう。

しかし、これも発症の引き金にはなるが、決定的ではないと思う。オスグッド症を始め膝の障害は圧倒的に左側が多い。臨床されている先生は統計をとって見るといい。スポーツをやるやらないにかかわらず膝障害は左が多い。

高齢者の膝痛も左が多い。スポーツ活動で痛める膝も左が多い。過剰な運動であれば、右利きの人が多いはずである。当然、利き足も右になり左右の足の活動能力を比較すると右足の活動能力が多いはずである。その分右足の筋肉の活動能力も高くなっているはずである。

過剰な運動であれば、右足の活動能力が高くなる右足の膝が痛くならなければつじつまが合わない。しかし、臨床的に見ても左足の膝の障害が多い。臨床的な事実と理屈が合わないことをどうやっても説明がつかない。矛盾が出る。

この矛盾を全体論で見ていくと、なんとなく解決できる。もちろん科学的な検証は無いが臨床的なもので、その推測のもとで治療を進めていくと解決する。解決することは推測が全くの当てずっぽでも無いということである。

拳骨

2011年7月25日月曜日

身体との会話88・・・第6回ANJ臨床研究会

残りの座席数がわずかです。申し込みはお早めにお願いします。

会場の変更に伴い、若干の余裕があります。

第6回ANJ臨床研究会のご案内

◆ 日時:2011年8月7日(日)午前9:30~12:00 午後1:00~4:30


◆ 会場:東京・都墨田区江東橋2-18-8 第六ミナミビル 3F

  http://www.k-rooms.jp/lunch/pdf/map_print.pdf
◆ 講師:菊地光雄B.C.Sc L.B.S

◆ 受講料:18,000 円

◆ 募集定員:先着15 名

◆ 受講資格

◆ 2011 年度AMI 国際、ANJ 国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。

 

* アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。

* こちらで確認してください

   ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

  http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479375.html
★ 研究会の問合せや質問は、CCRK菊地までお願いします。

  TEL0438-98-9811 ccrkK@kisarazu-chiro.com

★ ANJ臨床研究会の内容等詳細についての質問はANJ事務局では返答できませんので、事務局への   

問合せや質問はご遠慮下さい。よろしくお願いします。★

★ 申し込み先 ★

 アクティベータ・ネットワーク・ジャパン事務局

 申し込みはこちらから

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479373.html
 電話、FAX、メールでも申し込めます

  TEL&FAX: 092-732-4533

  E-mail : info@activator.gr.jp

★  申し込み締切日2011年8月2日(火)PM 1:00 まで ★



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拳骨

2011年7月19日火曜日

身体との会話87・・・慢性期のオスグッド症


急性期の捻挫の復習である。急性期の捻挫の大方は整形外科を受診しレントゲンを取り、骨折の有無を確認する。その後1,2週間経って経過が芳しくなくて代替医療に訪れるケースが殆んどである。なかには今回のように負傷してすぐに来院するケースもある。

現代医学の盲点は病理中心の思考から治療を成立させようとすることである。診断すなわち結果を的確にみいだし、宣告することで患者も「これが原因か」と納得することである。診断は的確にできるが治療法が無い。

捻挫を機能的な側面から見れば、機能障害の契善にはAMは理にかなった改善ができる。病理に伴った機能異常の改善が臨床的には有効である。捻挫を機械的に見ると盲点で先行きが見えなくなる。機能障害を有機的な他の機関とのリックを開放的に似ていくことが必須である。

機能障害と病理とは後先を決めることはできないが、急性期の場合は病理による機能障害とみたほうが治療結果は良い。慢性期の機能障害と病理の関係は、先に機能障害が起こり、病理(結果)になると考えたほうがよさそうだ。もちろん決め付けは良くない。検査で判断することが肝要である。

さて、オスグッド症はスポーツ障害の膝部門では上位に入る慢性的な障害である。慢性的というのはスポーツを繰り返すと何度でも再発することである。安静にしていると痛みがなくなり、再度練習を行うと再発するといったケースが多い。

機械的に膝だけを考える治療を行っていると再発を何度でも繰り返す。更に、筋力強化やストレッチングの指導を行う。しかし、功を奏しない。また、このような治療と指導は時間がかかりすぎる。半年や1年以上もかかることがある。そんなことをしていたのではスポーツを行う時間がなくなってしまう。

写真の彼は小学5年生から発症し現在高校2年まで繰り返す痛みがある。小学1年生から野球をはじめ5年生で発症し、高校2年の現在まで練習をやると痛くなる。しばらく練習を休んでいると痛くなくなる。練習を再開すると痛くなる。それの繰り返しである。一時は野球をやめることも考えたらしい。

また、中学や高校になると周りの目を気にし始め、別メニューや練習を休む事を敬遠する。心理的にも影響する。もちろんいろいろな治療は受けている。しかし、どこの治療も機械的に膝の痛い部分しかみないために結果は同じである。治療では治らないと諦めて、結局治療を行わなくなってしまう。

そのような選手は沢山いる。彼は特別なケースではない。さて、このような慢性的な再発を繰り返す症状をどのように改善していくか紹介する。写真では分かりにくいが、彼は両膝の脛骨粗面が隆起している。特に左側が顕著に見られる。オスグッド症の典型的な骨変形である。

拳骨

2011年7月13日水曜日

身体との会話86・・・急性期の捻挫6


2回目に来院したときの屈伸運動である。初回の治療後にはほとんど腫脹と痛みは軽減して、可動域もだいぶ改善した。歩行さえも困難だった足関節が、写真のように可動域も改善し屈伸ができるようになった、。

2回目の治療後には、明日からのリハビリメニューと練習のメニューを作成して部活中の練習時間内で行わさせる。リハビリと練習は臨床研究で紹介したような神経機能を重視したリハビリである。もちろん練習メニューもスキルより神経機能を重視した内容になる。

リハビリを指導する際は、筋肉に目を向けて、捻挫にはこの筋肉が弱いから、この筋肉が内反の動きに関係するから・・筋肉に目を向ける傾向にある。捻挫に筋肉が関与していることは街がない。しかし、筋肉が働くのは神経支配であることを忘れてはならない。ましてカイロは神経機能を改善するテクニックである。

ここまで回復すると、後は回復が早い。日を追うごとに運動機能が向上する。練習も強度と時間を適切にアドバイススルことである。出来れば指導者との連絡を密に取り、練習メニューやリハビリを尊重して、選手が他の部員から蔑視されないような配慮があると回復はもっと早くなるだろう。

もう一つ大切な事は、捻挫を機械的にみて、靭帯が伸びている、切れている、筋肉が弱いから・・・と考えてテーピング等で固定しないことである。不安定を打ち消すために外側から固定することによって回復は遅れる。足圧の受容器を刺激するために行うテーピングは施工した方がいい場合がある。その場合は積極的行ってみる。

拳骨


第6回ANJ臨床研究会開催のお知らせ

◆ 日時:2011年8月7日(日)午前9:30~12:00 午後1:00~4:30

◆ 会場:東京・都墨田区江東橋2-18-8 第六ミナミビル 3F
  http://www.k-rooms.jp/lunch/pdf/map_print.pdf
◆ 講師:菊地光雄B.C.Sc L.B.S
◆ 受講料:18,000 円
◆ 募集定員:先着15 名
◆ 受講資格
◆ 2011 年度AMI 国際、ANJ 国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。
 * アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。
 * こちらで確認してください
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★ 研究会の問合せや質問は、CCRK菊地までお願いします。
  TEL0438-98-9811 ccrkK@kisarazu-chiro.com

★ ANJ臨床研究会の内容等詳細についての質問はANJ事務局では返答できませんので、事務局への問合せや質問はご遠慮下さい。よろしくお願いします。★

★ 申し込み先 ★
 アクティベータ・ネットワーク・ジャパン事務局
 申し込みはこちらから

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2011年7月11日月曜日

身体との会話85・・・第39回東京セミナー

土日と第39回の東京セミナーだった。ベーシックとインターミディエイト(四肢偏)であった。インターミディエイトはAMではどんな位置づけか。教室で先生が生徒全員に「明日は試験があるから勉強しましょう」と言うのがベーシックである。

しかし、必ずしも全員が先生の話を注意して聞いているとは限らない。なかには隣の人と話をしていて聞いていない生徒もいる。あるいは、居眠りをして聞いていない生徒もいる。そんな聴き逃した生徒の肩を叩いて、個別に話をすることがインターミディエイトである。

受講生の傾向を見ると、最近は始めて間もない初心者が多くなり、ベテランの先生方が少ないように感じる。そのなかでも10回以上参加されているベテランの先生は約一割くらいいる。参加意欲に頭がさがる思いである。

感想を聞くと、参加すると勉強になる。今まで忘れていた、あるいは自己流になっていた等気づきが多かったようである。また、こんな意見もあった。ベテランだけを一つのテーブルに集めて、徹底的に癖を修正したほうがいい、天狗の鼻をへし折ってほしい、自己に厳しい先生の意見である。

ベテランといえ、若手の勉強熱心に圧倒されて、負けじと意欲が湧いたのだろう。いい刺激を受けたらしい。小生も含めて年をとると頭が固くなり、これでいいだろう、今更・・なんになる、これ一つでいい・・いろいろな弁護士を雇い言い訳をするようになる。・・一般的にこのようなことを頑固とかいう。(笑う) いずれにしてもベテランもセミナーに参加すると少しは気合が入るようだ。いつまでもう続くといいのだが・・・

初心者の先生方や中堅は意欲がある。特に臨床に取り入れている先生方は、臨床で実際に使っているといろいろな疑問が出てくる。その疑問をセミナーで解消しようと質問してくる。いいことである。しかし、テキストをみて机上の上で疑問を持つかたがいる。

もちろん悪いことではない。机上の疑問を臨床の場で実践してみて、更にその疑問が机上の空論なのか、あるいは臨床的な疑問に発展するのか試してほしい。臨床に落としこんでみると意外と解決すれうことが多い。臨床に落とし込まず、想像の域を超えない疑問は疑問ではない。

テクニックは臨床役立つためにある。臨床で使ってこそテクニックである。机上の理屈を事細かに並べても患者さんはよくならない。とにかく臨床に落としこんで患者さんと真摯に向き合うことが肝要である。


拳骨

2011年7月4日月曜日

身体との会話84・・・急性期の捻挫5


既にご存知の先生方も多いと思う。AMリサーチで出てくるねずみの研究である。人工的に作ったねずみの脊柱に炎症を起こさせて、AMIで直接矯正すると炎症がおさまる研究である。この研究はWFCの研究発表で最優秀賞を受賞した研究である。

さて、臨床でも同じような結果が出ている。過去にも同様のことがあったが、特別気にもかけずにいたが、セミナー前にプレゼンの準備を進めていて、アッハ~!!と気がついた。こういう事だったのか!! 納得の結果である。

人間での研究は行われていないので、詳細なメカニズムはわからず推測の域はでないが、臨床では多々みられることである。現在、このブログで症例報告をしている、急性期捻挫の炎症症状が当たり前のように改善する。

前回の写真は、受傷後の写真である。今回の写真は翌日の2回目の施術前の写真である。初回時の、赤外線の温度計測器で患部の皮膚温度を測定した。

初回術前 右26度 左33度 術後 右26度 左31度

2回目術前 右26度 左28度 術後 右26度 左28度

施術の前後で皮膚温の変化がみられた。当然痛みも軽減し関節機能も改善し、患側の足関節の運動も改善した。皮膚温度は炎症症状の一つの「発熱」と考えることができる。AMでの矯正後には顕著に皮膚温度の変化がみられたことは、脈管系に何らかの影響を与えたことになる。

もちろん、振動刺激は自律神経に影響をあたえるわけだから、当然といえば当然である。刺激に対する身体反応には諸説云々がたくさんある。そのなかでも痛み刺激による防衛反応が自律神経系を大きく乱すことは想像がつく。

例えば、痛み刺激に対して人の皮膚温は低下し心拍数は増加する。これは、痛み刺激が、副交感神経機能を抑制して心拍数を増加させる。また、交感神経α・β受容体系機能を高め末梢血管を収縮させ、心拍数を増加させるらしい。

したがって、人は捻挫などの痛みで、ドキドキして皮膚が冷たくなる。(痛み刺激を止めると皮膚温は3~4分で回復)これは交感神経が緊張したと考えられる。その痛みの原因に対して、「逃げようか、闘おうか」と、身体が判断している状態である。

おいおい待てよ・・・痛みで皮膚温が下がるなら勝手に炎症がおさまるだろう・・治療など必要ないだろう・・・そのようなご意見もあるだろう。次回に・・

拳骨