2011年9月27日火曜日

身体との会話100・・・治療時間4

リズムのある治療を行うAM臨床家

昨日は君津木更津剣道連盟主催の剣道大会があった。この大会にANJでチャリティボランティア治療を行った。ボランティア治療の参加者は二入だけでちょっと寂しいような気もしたが、実際に治療を始めると、どういうわけか楽しい。

ふたりだけでも、そんなに会話ができる時間もなく治療に専念していて休む間もないくらいだった。それでも楽しかった。楽しいとは面白くおかしくという意味では無い。エネルギー的にストレスも感じず疲労感もなく心がはずむような感じである。

どうしてかなと昨夜は考えた。答えは出なかった。今日、一緒に協力してくれた先生からメールが届いた。「二人で自分たちのペースで出来たので比較的楽でした。また一人当たりにかかる時間も同じぐらいだったので、お互いのリズムが狂わなかったのも疲れなかった要因ではないでしょうか。」
なるほど。

ペースがあったり、治療時間が同じであったりと相方とのリズムが良かった・・・治療人数も二人で32人で一人一人が全く同じで16人だった。全く同じペースなのは言われてはじめて気がついた。治療時間が同じであるということは治療の間のとり方、患者さんと治療家の間のとり方(この場合距離では無い)がふたりとも全く同じだったのではないかと思う。

こういうこともあるのだと思った。治療結果も然ることだが多分患者さんの気持も良かっただろうと思う。治療が終わるたびに患者さんから感動の声や驚きの声が聞こえた。決して大げさではない。治療をして終わった後の変化に驚くことは日常の臨床によくあることだ。

さて、治療時間の中に小生は「間のとり方」が必要だと思う。「間」とは・・考えると難しくなるのでここではリズムと考えたほうが理解しやすい。例えばAMの治療は非常にリズムが良い。特に検査と矯正、再検査がリズムよくセットになっている。また、検査と矯正が患者さんの姿勢をいちいち変える事無く腹臥位で一連の流れでできる。こんないいことは無い。

アイソレーションテストやストレス、プレッシャーを行うのもリズム(流れ)があっていい。このリズムは術者と患者さんとの関係にも無言のコミニュケーションが成立している。アイソレーションは患者さんが能動的に行う、治療に積極的な参加だ。患者さんが無意識うちに治療に参加することは潜在的に自然治癒力を高める。

このリズムでのアイソレーションは患者さんは踊りを踊っている感じをするかもしれない。きっと脳は喜んでいるはずだ。脳の活性化は生命の活性化につながる。脳は常に考えたり、新しい情報への興味は非常に活性化する。右手を上げて・・・この言葉で脳は新たな情報が入ってきて活性化する。

アクティベータ器の振動刺激も然ることだが、言葉での誘導にたいして患者さんが自主的に考えることは中枢系から生命の活性化を促す要因でもある。初心者にとって、検査と矯正のリズムをとるのはすぐにはできないかもしれない。下肢長の長さに目を奪われると、どちらが長い短いにこだわってしまう。

下肢長の評価に目を奪われると、判断がつきにくい部位で何度もやり直しをしてリズムが来るてくる。小生なども時折ある。こんな時はこの部位は飛ばして上のレベルに行ってもいいと思う。その理由も経験と共にわかってくる。逆にリズムよく検査、矯正ができるようになると評価が迷わなくなってくる。

さて、このリズムはどうして身につけるのか・・やはり、いつもいいているが理屈では身につかない。身体で何度も体験して繰り返し、繰り返し覚えるしか無い。他の人に聞いても答えはもらえないだろう。治療時間はこのような間のとり方、リズムが大切で、これらが身につくと、治療時間が設定できる。

更に、治療時間が20分と設定したらその20分で治療計画を立てる練習しておくといい。ベイシックは必須である。次に症状と脊椎レベルの#3,#4、#5を組み合わせてこの刺激はどのような反射を引き出すかを考えればさほど時間はかからない。


拳骨

2011年9月21日水曜日

身体との会話99・・・治療時間3

2011AMI本部公認AMJ主催AM大阪セミナー

先週末はAMI本部公認のセミナーが大阪で開催された。スタッフや受講生に助けられて無事終了した。毎回、大阪は熱いセミナーで質問もいろいろな質問を受ける。楽しみである。今回の大阪セミナーでは治療時間のチーム学習があった。

チーム学習の前に受講生の治療時間や患者さんとのコミニュケーションの撮り方などアンケートを取り、参加にしていただいた。治療時間はまちまちである。先生方のオフィスの治療内容や施術料金なども反映された治療時間になっていた。

さて、前回も話しをしたが治療時間というのはいろいろな意味を含む。経営的なマネージメントあるいは治療技術の程度、患者教育・・・いろいろ考えると治療時間が設定できる。基本的には短時間で効果のある治療が、患者教育になり患者さんの満足度高まる。

治療時間は、暇だから少しサービス的に他の部分もみたり、時間を余計にかけたり、忙しいいから時間を短くしたりはしないほうがいい。暇な時に時間をかけると患者さんはそれが当たり前の治療時間になり、通常の時間治療を行うとなんとなく損な気持になる。

また、忙しいくて後が詰まっているから、時間短縮のつもりで端折った治療になってしまうのも良くない。これな時間短縮ではなく「手抜き」である。患者さんは一番嫌がる時間治療である。あの人には時間をかける。私には時間をかけない。患者さんは差別感を感じる。

CCRKは20分治療である。この20分でどんな治療をするか「治療計画」を立てることが大切になる。同じ腰痛でも原因が様々である。原因をしっかり見つければ治療時間はそんなにかからない。治療に時間が掛かる人は、症状を追いかけて原因を見誤りごじゃごじゃな治療になっている。

腰痛の原因、四十肩の原因、ひざ痛の原因・・・必ず原因がある。原因を的確に短時間で見分けることが必要である。すぐに出来るかというとそうは行かないが、焦点をそこに合わせていればわかるはずだ。焦点を症状に合わせると原因がぼけて見失う。普段からそのような原因を追求する検査や治療をしていくほうが良い。

原因を探る検査一つを取り上げてもそうだろう。モーパルでもいいが、脊椎一つ一つを検査していたのでは時間がかかる。更に、矯正して正しく矯正されているかも再検査する必要がある。時間の掛かる作業だ。

AMはそれが簡単に短時間でできる。更にいいとこは客観性があり、再評価が簡単にできる。いいとこずくめである。リスクがすくなく効果的、短時間こんないいものはない。更に、AMの技術も向上してくると症状と横レベルの神経関節障害と症状の関連性がわかってくる。

症状と脊椎レベルの神経関節機能障害との関連性がわかれば、余計な検査や矯正はしなくてもよい。更に時間はかからなくなる。それにはやはり、ベイシックの治療は必須だ。ベイシックの治療が成立していれば70%~80%は治療は成立している。そこまで治療が成立してれば後は楽である。

ここまでの流れを、患者さんとの問診、姿勢、ROMなどで5分くらいで探し見極める。また、原因が心理的、科学的な要因がないかを見極める。そこまではなるのは時間が掛かる。と、思うかもしれないが普段からその要は訓練をしていくことが早道である。やれば出来る。

拳骨

2011年9月14日水曜日

身体との会話98・・・治療時間2



さて、前回の続きで治療時間についてCCRKの治療時間を紹介する。CCRKの治療時間は初診は問診、治療法の説明で約30分~40分(これが良くない)。施術は初回は施術方法の説明が入ってしまうので30分くらいかかってしまう。特に施術中に患者さんから「今のは何ですか? パチンは電気ですか? どうして軽くなるんですか?・・・」いろいろな質問が来る。

最初の施術の説明でうまく説明しているつもりでも、患者さんは理解していないようである。よって二重手間になってしまう。改善の余地あり。施術前に説明するか、施術中に説明するか・・どちらが良いのか・・これを改善すると10分は違うはずである。

二回目以降は20分の設定である。一こま20分で設定している。CCRKは料金が田舎料金であるために時間計算すると20分が妥当な施術時間である。さて、この20分で何ができるか? 患者サンの症状や希望する改善度はまちまちである。時間マッサージでハイ、何分・・で終わればいいのだがそうは行かない。

ある程度の症状を改善し、料金と症状の改善度が一致しないと患者サンも納得してくれないだろう。患者サンの希望は何か? 知ることは大切な事である。これを知ることによって改善度の程度もどこまで改善するか決まってくる。そこを知るテクニックは色いろあるだろう。問診表でもいい。問診でもいい。ここではこれはおいておく。

急性期の、例えばギックリ腰の患者さん。痛くて動けない人にあれこれと説明はいあらない。こんな患者さんは説明より、痛みをすぐに取って欲しいだろうから、先生方の施術の適応化、禁忌かを適切に判断してすぐに施術に取り掛かることがいいだろう。痛みが改善された後に説明を知ればいい。

痛みで困っている患者さんの脳は、「今のこの痛みを早く取りたい」という思考に走っているので、他の情報は入ってこない。他の話は受け付けない。施術後に痛みがある程度改善すると、適切な施術と判断して、脳は安心して他の情報を受け入れることができる。更に、脳がこの状態のときは正しい情報として信頼度が高まり、より強固に情報をインプットする。

さて、急性期のギックリ腰の患者さんの施術時間は? 症状によって変わると思う。しかし、前回述べたように時間をかければいいということはない。ある程度、施術を進めていくと、何回の施術が必要かがわかるだろう。その時点でわかれば、後はその回数に分けて施術を行えばいい。

例えば、3回の施術が必要であれば、腰の痛みで歩けない人は歩けるようにすればいい。2回目は日常生活に支障がないまで。3回目で社会復帰。まず、何回で社会復帰ができるかを計画する。計画が出来れば一回の施術で時間をかけてまでもむりをして改善しなくてもOKである。かかっても20分~30分だろう。それ以上やってもそれ以上は改善しない。

それをむりにやると、施術者も何をどうしていいのかわからなくなり、痛みの症状を追いかける施術になり原因を見失いって施術者が混乱する。そうなると時間だけかかり、さほどの改善が出来ず、患者さんの希望にそえなくなる。程々に・・

拳骨

2011年9月6日火曜日

身体との会話97・・・治療時間1



前回、治療時間がかかり過ぎる話をした。みなさんの治療時間はどのくらいでしょうか? この治療時間とは実際に患者さんに手をかけている時間である。説明や世間話は含まない。なかには世間話も治療だという先生もいるかもしれない。それはさておいといて・・

私の尊敬しているDCが治療時間についていった。「手術を考えてみろ。時間が掛かる手術は難儀しているからだ。簡単な手術は時間がかからないだろう。」よく、カイロの治療時間と手術の時間を比較して話をしていた。なるほどなと思った。

心臓外科の手術などはいい例である。実際に開胸して手術を初めて、あってはいけないことだが間違って正常な血管や神経、臓器に傷をつけたりしたら当初の手術計画より余計な手間がかかる。その分時間がかかる。よって単純にみても時間の掛かる手術は難儀している問題がある。

手技の治療も同じである。症状の診たてに応じた治療計画をたてる。そのとおり治療を初めて、治療後に患者さんが満足できる結果が出ないと、更に追加治療ではないがここをいじって、あそこをいじってとどこでも構わず手を加える。

なかには、患者さんが「ここが痛い」というと痛いところを追いかけてついつい手を出す。これで時間を結構食ってしまう。これでいいのか? 最初の診たてと計画はどうなってしまうのか・・・やはり、原因を改善することは症状の早期改善になることである。

さほど結果が出ないと、患者さんの言いなりではないが、患者さんが痛い場所に目標を変えてしまい、対処的な治療になりやすい。はやり原因の改善を忘れないようにしたい。いたい部位は原因の改善が終わった後に、治療をすればいい。

さて、実際の小生の治療時間は15分~20分程度である。いけないのは暇なときについついサービス精神で余計なことをしてしまうことである。(笑)これは良くない。患者さんは勘違いをする。地祇の治療の時に通常の時間ないで終わると、前回より時間が短いと思うかもしれない。この勘違いは営業に影響ることもある。

暇だから時間をかける。忙しいから時間を短くする。これは一番いけないことである。患者さんは忙しい時ほどオフィスの雰囲気を感じている。小生も反省しなければいけない。患者さんが詰まっていいると、次の患者さんをまたしてはいけない、結果を出さなければいけない・・いろいろなプレッシャーでついつい、言動に表れる。

口調が強くなったり、歩j行動作が早くなったり、触診などに力が入ったりと・・患者さんは敏感に悟っている。レストランに食事に言った時などみなさんも感じることがあるはずだ。忙しいときは注文したものがなかなか出てこないで、出てきたら食べ物が冷たかったり(笑)、注文とは違った食べ物が出てきたり、客のの入れ替え後のテーブルが汚れていたりと目につくはずである。なかには店内を走り回っている従業員も目に付くことがある。我々のオフィスも全く同じである。

拳骨