2012年8月7日火曜日

身体との会話122・・・・・統合医療





統合医療のあり方の検討は? エビデンスがあるものを入れてないものはチョット待てよ・・これもある意味では正論かもしれない。また、医師がコントロールできる代替医療を統合医療に入れる。そういう見方もできる。

原発の是非をめぐって市民との討論をしたが、下工作で原発推進の原発従業員が入って意見を申すことがあったが、さほど変わらない検討である。そもそも統合医療は西洋医学では補えない医療を補完的に協力して補って患者利益を目指すものである。

現代医学や代替医療の業界発展のためのものでもない。それ故、医師のコントロール出来る範囲とかエビデンスがあるものだけとか本来の目的から軌道がずれているように思える。まして、医療業界のいがみ合いでもないはずである。。

世界的にみても現代医学は市民権を得ていて主になって患者利益を行なっているのは明らかで否定するものでもないし、緊急医療の外科や生命を機械的に診て詳細の細胞レベルまで調べて病気を解明することには長けている。代替医療にはできないことである。

しかし、できないことと分野が違うことを理解しないで、同一的な目線でみると医療界の違和感が生じ、協力共存することより啀み合いとか対立的になってくる。やはり、患者優先でみたら協力共存が理想である。互いにできるものとできないものがはっきりしている。

できるものとできないものは臨床の立場にいる医師も施術者も理解しているはずである。しかし、現代医学はエビデンスや科学を盾に土俵に乗ろうとする。本来、エビデンスや科学で解明できないものが代替医療であり、相反するものである。

実際の臨床ではエビデンスや科学に基づいて医療を行うことで再現性や医療の正当性を証明をして生命に外的に手を加えて治癒させているかのように思っている。しかし、手を加えることは必要だが、手を加えた後の生命力の如何で治るか治らないかが決まる。

癌の摘出手術の後の生存率や治癒力などは典型的な本人の自然治癒力である。これは本人にが持っているものであり、外から手を加えるものでもない。さらに、手を加わえることの限界がある。勿論、代替医療とて同じである。そこに気づくべきである。

先日もFbを賑わした記事があった。整体かマッサージなどの無資格の施術で患者さんの身体的に外傷を与えたり、苦痛を与えたりする苦情が後を絶たないという記事である。このことは資格云々や知識、技術の教育もあるかもしれないが、最終的には施術者の資質の問題である。

記事は代替医療の無資格云々を言っていたが、社会的に医療被害は代替医療の分野だけではない。現代医療の世界でも薬害や手術のミス、投薬のミスなど数えたらキリがないくらい多発している。この事実と比べたら代替医療の事故は少ないはずである。こんなことを書くと白黒判断になってしまうが、事実は事実として謙虚に受け止めなければならない。

こんな記事もある。


一般社団法人「国家ビジョン研究会」が20日に開いたシンポジウムでは、医師や看護師らが参加したパネルディスカッションが行われ、統合医療や看護、臨床研修制度など、幅広いテーマで意見が交わされた。シンポジストからは、「西洋医学は限界に達している」との声が上がり、薬に頼らない食事療法や、患者を内面から支える看護ケアなど、自然治癒力を高める治療の効果を見直す必要があるとの意見が出た。
写真ニュース
活発な議論が交わされたパネルディスカッション(20日、衆院第一議員会館)
 東京都新宿区の丹羽クリニック院長で、同区医師会理事の丹羽正幸氏は、治療法におけるパラダイムシフトの必要性を繰り返し強調した。開業後、4万人以上の難治性疾患患者を診察してきたという丹羽氏は、西洋医学だけの治療法が限界に達しているとした上で、「自然治癒能力がこれからのテーマになる」と指摘。体の各組織や精神までを多面的に治療する「融合医療」で、可能な限り医薬品を使用しないことが望ましいとした。

 また、社団法人「生命科学振興会」理事長の渡邊昌氏は、日本の医療費が増え続ける中で、経済的な観点から「食べること」の意義を指摘。糖尿病や高血圧など生活習慣病の治療では、食生活の改善の方が、医薬品の投与よりも効果が高い場合がある上、それが医療費の節約にもつながるとし、「患者が自己の治癒力を知ることが大事だ」と述べた。

■「日本版ACGME」の創設求める意見も
 一方、臨床看護学研究所の所長で、日本赤十字看護大名誉教授の川嶋みどり氏は、患者の高齢化や病院の在院日数の短縮化などで、看護の現場が危機に陥っているとし、「(患者の)手に触れ、癒やし、慰める方法から遠ざかっている」との懸念を表明。その上で、患者の生活を支える「療養上の世話」の重要性を指摘し、厚生労働省が検討している看護師の認証制度については、改めて反対の立場を示した。さらに、看護職員の配置人数によって入院料が決まる現行の診療報酬体系を改め、費用対効果や患者のQOL(生活の質)に基づいた看護の報酬に見直すよう求めた。

 このほか、野口医学研究所理事長でハワイ大教授の町淳二氏は、米国での臨床経験から、日本の臨床研修制度の問題点を指摘した。町氏は、米国では1980年代に、医師会の主導で「ACGME」が設立され、卒後の臨床研修の認可制が導入されたことを説明。学会が認定する日本の専門医制度では、臨床レベルの「標準化」が進まないとして、研修施設の認定を行う第三者機関が必要だとした。【敦賀陽平】
http://news.cabrain.net/article/newsId/37724.html

出典:医療介護ニュースより

これも医師からみた臨床的な事実である。やはり限界を感じていることは患者さんの利益にならないことを示唆している。これらの事実を真摯に受け止めて現代医療と代替医療の互いの分野をわきまえて協力共存をしていくことが患者優先のあり方であると思う。

拳骨