2011年10月3日月曜日

身体との会話101・・・受講生からの質問1(半月板損傷)

半月板損傷


大阪セミナーの時に受講生からこんな質問を受けた。他にも幾つか質問を受けたのでシェアして答える。ここでの答えが正解とは言えない。臨床的、経験的に言えることであることを理解し、臨床のヒントにしてほしい。

Q1
「今までロッキングの整復に対してはマックマレーテストの逆方向への方法で機械的に整復していたのですが、AMベイシックスキャンプロトコルにしたがって身体の神経系の調整すれば関節も落ち着くところに落ち着き半月板ロッキングも解除されるのでしょうか?」


四肢の整形外科的検査は大方は機械的に考案された検査である。時には「検査=矯正」にもなる。膝の半月板損傷でみられるロッキング現象は、なめらかな骨軟骨表面の微細な損傷から断裂まで様々である。損傷程度によっても症状が様々である。

ここで半月板損傷におけるロッキング現象は急性期と慢性期に分けることができる。スポーツ現場で外傷性の急性の場合は、半月板のみの単独損傷は少ないだろう。側副靭帯、十字靱帯の損傷も考慮しなければならい。

特に、急性期の外傷で膝関節の腫脹が顕著なときは膝内出血がある。こんな時は関節マニュプレーションはできない。よって対象外である。しかし、なかには負傷時に医療機関に行かず、翌日にカイロや整骨院を受診する方もいる。そんな時にどうしたらいいのか?

負傷時の翌日に来院した患者さんの膝はかなり腫れている。なかには膝関節が全く曲がらない膝もある。血腫があり曲がらなくなっている。引き出し、押出検査をすると緩んでいる可能性がある。断裂している靭帯はどんな手技療法でも治すことができない。転医させることがいいだろう。

十字靱帯や側副靭帯が軽度であれば必ずしも手術の対象ではない。このようなケースは我々の所でも適応になる。(患者さんとのコミニュケーションをしっかりとる)ここでロッキング現象が見られるからといって機械的に外力的に外すようなことをしたら大変だ。痛みで患者さんは大声を出す。

体の関節でもう一つロッキングを起こす部位がある。結構多い。さてどこだろうか? そうです顎関節です。アクティベータ・メソッド第2版では13章にTMJに関する機能障害が詳細に乗っている。参考にするといい。この章でもロッキングやクリック音は下顎突起と関節隆起の間に関節円板が挟まれたような状態になる。

この状態で関節運動がスムーズに行かずロッキングを起こす。では、どうして関節円板が挟まれるのか? 関節突起と関節隆起につながている筋肉が緊張するから関節裂隙の減少がおきて、円盤が挟まる考えられる。もちろんそれだけではない。

TMJノ関節運動の軌道の逸脱もある。しかし、この軌道の逸脱も関節を構成している筋肉の緊張が影響していることは間違いない。この筋緊張が関節構造の異常をきたし、関節運動の異常も起こさせて関節裂隙の減少を起こして関節円板の挟みこみが起こる。

さて、膝の半月板はどうなのか? これも全く同じと考えていい。半月板が部分断裂を起こすと大腿骨と脛骨の間に収まっている状態が通常より広がる? 面積が広がる? なんて言っていいのか適切な言葉が出てこないが、はみ出るような形になる。

そこに大腿と下腿を繋いでいる靭帯、筋肉の緊張によって関節裂隙の減少が起きて、TMJ同様の挟みこみ減少が起きる。TMJと同じような機能障害が起きてロックすると考えてもいい。よって、治療は関節を構成している筋肉の緊張を解除すればいい。

筋緊張が解消されないのに機械的にこうやって、ああやってとやってもできなことは無いが、痛みや反射的な緊張で更に機械的な動きは困難にになり解除ができなることもある。やはり、筋緊張を解除することがいい結果になる。

拳骨

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