2011年10月19日水曜日

身体との会話102・・・PCRT研究会より1


先週末にPCRT(心身条件反射療法:ニューロパターン・セラピー)研究会が行われた。このPCRTは、まさしく患者さんの身体(神経反射)に問いかけて反応を引き出して、患者さんの身体と会話する。身体と会話すると行っても、身体の反射神経の反応を筋肉を通して、神経機能を診ていく手法である。

反射をみることによって何がわかるのか? 診方によるが潜在的な緊張を見ると解釈していいだろう。この潜在的なものは、普段目を向けることは無いが、潜在意識は99%で顕在意識は1%とも言われている。最近の脳科学の進歩で明らかにされている。

また、意識は後付、いわゆるこじつけであるとも言われている。潜在意識が働きその後に意識が理屈をつけて、あたかもその人間の意思が言っているようになっている。では、この潜在意識はどんなときに働いているのか?

例えば、朝ごはんの味噌汁の具は何にしようか? これは意識的な働きで計画する。実際に食べるときに「右手で箸を持つ」「左手でお茶碗を持つ」とそのたびに意識的に考えて箸を持ったり、お茶碗を持ったりしている人はいないはずである。無意識で勝手に持っている。

この無意識での脳の緊張は、身体運動の反射系の働きを乱し、運動系であれば筋肉の過緊張を生じさせる。このことは「共縮」という現象で証明されている。スポーツ選手のイップスや試合前の緊張などが典型的な「共縮」である。身体が緊張で硬くなる状態である。

運動系外にも自律神経も乱し、交感神経が興奮し血流不全、消化器の不調、免疫系の低下まど様々な機能不全が生じる。その結果が各系の病理的な症状に移行していく。最近は心理的なストレスからの症状が多くなって来ているのは事実である。

この無意識レベルの脳の緊張は神経反射の機能を失い、筋緊張が顕著に現れて下肢長反応や筋のトーンの変化に出て筋力検査をすると力が入る、入らないに表れる。筋肉の強弱を評価する方もいる。この変化を評価して潜在意識の緊張を診ていく。

神経反射見るためにには何らかの刺激が必要になる。必要としなくてもできるがここでは誤解が生じるので刺激を加えて反応を見ることを前提とする。この刺激は身体内の物理的な刺激や化学的な刺激、思考でも反応する。

AMなら外的にストレス、プレッシャー、アクティベータ器での外的刺激で受容器を刺激すれば反応する。この反応は下肢長に顕著に現れてそれを氷解する。また、体内外の化学物質で化学物質に反応する受容器が反応する。例えば、梅干しやレモンを食べると口の筋肉が緊張して顔をしかめるだろう。更に、口の中では唾液が出てくる。味という化学物質である。

思考・・何を考えるかで交感神経が興奮して目が冴えてしまう。TVで応援しているスポーツ選手の活躍を見ていると、思わず握りこぶしを握って手に汗をかいていることもある。これらは意外と無意識で行なっている。このような状態で自律神経の乱れや反射神経が乱れて身体内外の各系の乱れを作っている。

この神経学的な反応を診て、評価していくのが「身体との会話」である。AM然り。PCRTもまた然り。身体を機械的に評価すると構造ありきで症状を見てしまう。本質的な原因がどこに隠れているかしっかり見極めることが大切である。機械的に診ていくと結果を見つけても原因は見えないことが多い。

拳骨

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