2011年8月26日金曜日

身体との会話94・・・慢性期のオスグッド症4



写真は初回来日の治療後の症状が緩和した状態である。前回の写真は治療前の症状である。前回は痛みのために膝関節の屈伸運動ができない。治療後は屈伸運動がその場でできるようになる。AMでは、誰がやっても同様の症状の緩和が期待できる。特別なものでもない。

オスグッドの症状に目を奪われずに、オスグッドの発症メカニズムに目を向けることである。発祥メカニズムも最初は機械的に考えていいだろう。特に慢性的な症状は主動筋と拮抗筋との力関係(筋緊張)に大きく影響を受ける。このあたりの考えは機械的になる。

主動筋か拮抗筋の緊張状態によって、主動筋の仕事、拮抗筋の仕事が正常に働かなくなる。要するに主動筋と拮抗筋の機能障害による膝関節の屈伸機能が低下して、常に大腿四頭筋の緊張が高まっている状態になっている。

当然、膝蓋腱の緊張も高まり脛骨粗面の軟骨部が引き剥がされるような形になり軟骨が盛り上がる。これがオスグッドの発症メカニズムである。この時の四頭筋の過緊張が過剰な運動、成長による緊張で起きるということには異論がある。

単純に運動のしすぎ、成長して痛みが出るとは言いがたい。まさに機械的な考え方である。少なくても有機的な思考で臨床を行っていればこの意見に同意することはできないだろう。筋肉の緊張は神経学的な反応である。ただ単に力学的な観点からのみで筋肉の緊張をみるのではなく神経学的な観点からもみるべきである。

脳梗塞などで脳細胞の壊死が生じると、反対側の半身麻痺が生じることは素人でもわかる。脳細胞が壊死を起こさなくても、脳細胞の疲労によるものでも反対側の末梢系の神経支配の機能低下が生じる。このことから筋肉の緊張は力学的な使いすぎに限定することは無理がある。

力学的な作業をしない方でも、ディスクワークで精神的(脳の疲労)でも肩こりや腰痛は起きる。そう言う方のほうが圧倒的においいはずだ。そんなかたを治療していることが多いはずである。精神的疲労、すなわち脳疲労は反対側の末梢系の神経機能を著しく低下させる。

脳疲労で反対側の筋肉と腱は力学的な張力をバランスよく打ち消しているはずが狂いが生じる。例えば膝に10の力が加わる負担を四頭筋が4、上下の腱で3.3・・6の張力で、合わせて10の力を分散している。これでいいぶんである。

脳が疲労すると、末梢、すなわち四頭筋と腱も正常に機能しなくなり張力に対する打ち消す配分が狂ってくる。四頭筋4だったのが3になり、その分1が膝蓋靭帯に負担になり3だったのが4になってしまう。その膝蓋靭帯の張力がまして腱付着部の力が増して膝蓋軟骨が腱より弱く、軟骨部分が炎症、後に牽引による軟骨増殖して盛り上がる。

神経学的な観点からオスグッドの発症メカニズムを推測して見たが、これが推測通りに臨床で神経学的に治療を進めていくと写真の通りに治療後は、緊張がとれて膝関節の機能は改善する。当然痛みも軽減する。このような治療が誰でも同じにできるのがAMである。

拳骨

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