2011年6月28日火曜日

身体との会話83・・・急性期の捻挫4


この程度の捻挫は、現代医学のグレードは2位だろう。3以上では捻挫というより、靭帯断裂(部分的)になる。完全断裂かあるいは、それに近いものは手術の適応になる。我々の適応範囲を超えるものである。専門家に任せたほうがいい。術後の機能障害を見ていけばいい。

さて、グレード2くらいまでは我々の適応と考える。治療法によっては現代医学の捻挫治療より早期に回復させることができる。そのためには、捻挫(靭帯損傷)に目を向けず、捻挫による機能障害をしっかりと捉えて改善していくことである。

写真の選手は、受傷後4,5時間である。疼痛のために左足関節の自動運動が不可能であり、自立歩行も不可能である。レントゲン検査では骨折がないことが確認されている。2週間後の試合に何とか出場したくて来院した。

通称の整形外科の処置は、2度くらいからシーネ固定して安静を強いられる。後は自然治癒を待って、靭帯損傷をまつだけである。日常生活に支障がなくなるのに3~4週間を様子だろう。それを待っていると試合が終わってしまう。

競技にもよるが、怪我をごまかしてできる競技とできない競技がある。チームプレーなどは比較的ごまかしができる。ポジションを変えることもできる。100m走などのタイム記録を争う競技はごまかしが効かない。競技の特性を知ることも施術者としてある程度必要になる。

さて、写真の選手施術は、AMで施術をするときに、足部を持って#2に持って行くと痛がり、できない。どうしたものか? みなさん考えたかな? そんなに難しいことではない。このあたりの問題は、普段の臨床で漠然とするのではなく、常に今場合はどうしたりいのか考えて行うとすぐにいいアイデアが出てくる。

答えは、足首を持つことで解決できる。足首をもち、内顆で長短を評価する。あるいは、#1でモテもよい。セミナーでいつも言っていることである。ストレス、プレッシャーで#1でみる。これで十分評価できる。早速やってみること。

ベーシックが終わると、ほとんどの筋肉の緊張がなくなり疼痛も和らいでくる。この筋緊張は疼痛による防衛反応として、反射的に筋紡錘が緊張し、益々興奮が高まる伸張反射によるものである。筋紡錘の興奮が高まり、筋の緊張がたかまる靭帯の損傷部位の疼痛が増発する。疼痛が増発したことによって、更に筋紡錘の興奮して筋肉の緊張が高まる。この繰り返しである。

AMによる刺激は、神経反射を正常化させて興奮を抑制する効果がある。よって、反射も正常に反応し、筋緊張も弛緩する。弛緩すると筋紡錘の興奮も収まる。また、皮膚温度の変化も自律神経の影響によるもと考えられる。自律神経の異常で循環作用が影響し、炎症症状が悪化して皮膚温が高っくなっていると考える。

施術後は疼痛の緩和と、皮膚温の低下が見られる。AMの刺激は神経系への働きかけである。この神経系の働きは、各系の影響を与えることができる。ターゲットをどこに絞るかで治療の対象が明確にできる。

拳骨

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