2011年7月4日月曜日

身体との会話84・・・急性期の捻挫5


既にご存知の先生方も多いと思う。AMリサーチで出てくるねずみの研究である。人工的に作ったねずみの脊柱に炎症を起こさせて、AMIで直接矯正すると炎症がおさまる研究である。この研究はWFCの研究発表で最優秀賞を受賞した研究である。

さて、臨床でも同じような結果が出ている。過去にも同様のことがあったが、特別気にもかけずにいたが、セミナー前にプレゼンの準備を進めていて、アッハ~!!と気がついた。こういう事だったのか!! 納得の結果である。

人間での研究は行われていないので、詳細なメカニズムはわからず推測の域はでないが、臨床では多々みられることである。現在、このブログで症例報告をしている、急性期捻挫の炎症症状が当たり前のように改善する。

前回の写真は、受傷後の写真である。今回の写真は翌日の2回目の施術前の写真である。初回時の、赤外線の温度計測器で患部の皮膚温度を測定した。

初回術前 右26度 左33度 術後 右26度 左31度

2回目術前 右26度 左28度 術後 右26度 左28度

施術の前後で皮膚温の変化がみられた。当然痛みも軽減し関節機能も改善し、患側の足関節の運動も改善した。皮膚温度は炎症症状の一つの「発熱」と考えることができる。AMでの矯正後には顕著に皮膚温度の変化がみられたことは、脈管系に何らかの影響を与えたことになる。

もちろん、振動刺激は自律神経に影響をあたえるわけだから、当然といえば当然である。刺激に対する身体反応には諸説云々がたくさんある。そのなかでも痛み刺激による防衛反応が自律神経系を大きく乱すことは想像がつく。

例えば、痛み刺激に対して人の皮膚温は低下し心拍数は増加する。これは、痛み刺激が、副交感神経機能を抑制して心拍数を増加させる。また、交感神経α・β受容体系機能を高め末梢血管を収縮させ、心拍数を増加させるらしい。

したがって、人は捻挫などの痛みで、ドキドキして皮膚が冷たくなる。(痛み刺激を止めると皮膚温は3~4分で回復)これは交感神経が緊張したと考えられる。その痛みの原因に対して、「逃げようか、闘おうか」と、身体が判断している状態である。

おいおい待てよ・・・痛みで皮膚温が下がるなら勝手に炎症がおさまるだろう・・治療など必要ないだろう・・・そのようなご意見もあるだろう。次回に・・

拳骨

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