2013年11月6日水曜日

「骨折とPCRT2」身体との会話・・・130

画像検査



救急処置室に運ばれて医療スタッフの作業はたんたんとした作業で、ベルトコンベアーに乗った製作品みたいな扱いだった。有無を言わさず患部を露出させ、消毒をして画像検査に運び検査を進める。

看護師さんやレントゲン技師は慣れた手つきで患者を扱うが、激痛の上、あまりにもぞんざいな扱いをするので痛みを通り越して思わず怒鳴ってしまった。「もう少し丁寧に扱ってくれ(-_-;)」・・これには看護師さんもビックリしていた。

ほねつぎでもあり、修行時代は骨折の扱いは細心の注意で痛みが出ないように扱うことを指導され、そのコツも受け継いでいる。どうしても、比べてしまう。この扱い方は入院中にも注文をつけた。

とにかく痛い。痛みをこらえるために全身の筋肉に無意識に力が入る。更に筋緊張のため痛みが増幅し、必死にタオルを食いしばってウ~、ウ~・・唸っていた。レントゲン室への移動も振動で患部へ響いて痛い。

レントゲンの単純撮影とCTをとるということであったが「なんでCTまでとるんだ!」また胸部をとるといったので「オレは骨接ぎだ骨折や内蔵損傷ぐらい自分の身体は自分で分かる・・」などと文句をいっていた。(冷静に考えれば医療サイドの見逃しを避ける必須の検査である。)

単純撮影は確か6方向で方向を変えるたびに激痛が走り、技師さんの言葉にも腹が立った。「動くと取れないからじっとしていて・・だめだよ動いちゃ!」動くとだめなら動かないように支えるような工夫をすればいいのだが・・

動きたくて動くわけではなく勝手に足関節が反対を向いて自身でコントロール出来ない。そんなことが技師さんにはわからないのかな・・・脛骨と腓骨が折れていれば動かすことなどできないだろうに(-_-;)

なんとかレントゲンを撮り終えた後が大騒ぎである。若い先生がレントゲンを見ながら「これは骨折していますね。」・・そんなのレントゲンを見なくても分かるよ・・と言いたくなるが我慢して素直に頷き若いDrの顔色を伺いながら聞いていた。

余計なこと言って患部をやたら必要以上に触れるのが恐怖だった。(-_-;)ここは素直に効くことだな・・説明を聞いていると誤作動のスイッチを作っている言葉が頻繁にいっている。「これは酷い骨折だな。粉々に折れているよ。酷いな。半年はかかるだろう。骨折が治っても少し引きずって歩くようになることもあるね・・」

このようなDr本位の言葉を投げ変えていると患者さんは誤作動のスイッチを作っていまう。まさに暗示と言っていい。外部からの情報を脳で思い込みや信念に作り替えてしまう危険性が起きる。PCRTの臨床ではよく見られることである。

このような信念やお見込みは慢性的な疾患や治りを遅くして厄介な症状をつくりだす。医療現場の処置や説明には十分配慮が必要だ。現在も「こりゃ酷い骨折だ!」この言葉は時々思い出す。実際、この言葉を聞いた時には半年は仕事ができないな・・諦めの心境であった。

骨折による患側の下肢は約5から7センチは短縮していた。この状態を放置しておくと神経や血管を損傷しやすく2次障害が起きやすい。更に痛みが増幅してしまう。処置としてはすぐに手術をするのが一番だが、休日で手術ができない。

23日(月)の休診日で整形外科処置ができるDrがいなかったので至急連絡して戻ってきてもらい翌日の手術までベッドで寝て下肢の牽引をして短縮した下肢を戻す牽引療法をすることになったがその間の1時間くらいの時間が長く感じた。・・・続く


受傷時のCT

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