2011年12月28日水曜日

身体との会話106・・・PCRTセミナーより2

心身条件反射療法は、脳のパターン化された緊張を診ていき解放することである。この緊張は五感を通した外からの情報や内なる思考からパターン化された緊張がつくられる。この緊張パターンを見つけ出すのに神経筋反射を使ってみていく。

この神経筋反射を見れるか見れないかは、心身条件反射を臨床で使っていくうえで臨床家の生命線とも言える。神経筋反射を見られるようになるのは時間がかかるが、誰でもできることである。根気強くやることが必要である。

やり方は筋力検査や下肢長検査・・その他神経反射を見られるものであれば何でもいいだろう。やり方はどんなことでもいいが、いずれのやり方も反応は一致しなければならない。やり方に決まりはないがうまく引き出せる人とそうでない人がいる。

今年流行った言葉に「想定外」とい言葉がある。物事考えるときは、ある範囲内のことは考えが迄ぶ。一生懸命考える。しかし、それ以外のことは全く考えも及ばない。それが「想定外」である。範囲を広げたり、無限的にか考えると限がなく嫌になる。脳の性質としてなそんな所である。

原発の問題はさておき、心身条件反射療法も同じである。ある緊張パターンを見つけ出していくのに、色々な情報を組み合わせて反応を引き出す。神経反射をみる技術もさる事ながらこの情報の組み合わせを診ていくのも大きなスキルである。

この情報の組み合わせは無限である。こんなものはテキストには無い。その施術を行う先生の知識や体験、成功経験、失敗体験あるいは感が大切である。理屈では計り切れないものである。また、患者さんが意識的なものしか理解出来ないが、意識外の無意識の中に入り込まないとできない。

うまく検査ができる人は、このあたりの探りの入れ方がうまい。型にはまらずいろいろな情報が次から次と出てくる。まして、無意識の反応が想定外のことでも神経筋反射を信じることで対処できる。想定外の事はありえないと思って型にはまっていると先に進まず本質的なと頃まで掘り下げることはできない。

情報は消去法なので、探りを深めていくと狭まってくる。それにより本質的な原因がみえてくる。この探りを入れていくうちに迷子になってしまう方がいる。これもうまくいかない原因である。原因を探っているうちに探っている本人がどこにいるのか(どこの位置を探っているのか)わからなくなり治療が成立しなくなる。

迷子になる人は、やはり型にはまった想定内のことを一生懸命探っている。そんなときは型からはみ出て周りをよく見て、再度探りを深めていくことをしてもいい。この型にハマる方は思考自体に型を持っている。思考自体に型を持つと本来の神経反射反応に迷いが生じ、疑問をもつようになる。

疑問を持ち始めたら先には進まない。いかに型にはまった思考を捨ててニュートラルな思考で神経反射反応を診ていくことが出来るかできないかが臨床効果にあらわれる。「想定外」は政治家の言い逃れの言葉だけにしたいものである。


拳骨

2011年12月19日月曜日

身体との会話105・・・PCRTセミナーより1


先週末はPCRTのセミナーに参加してきた。今年最後のセミナーで毎回出るたびに学ぶことが多い。セミナーの内容もだいぶシンプルになり、より臨床的に沿った内容である。最近の筋骨格系の慢性的な症状はストレスの関与は否定できなくなってきている。これからはこのような治療は必須になってくる。

腰痛の原因とされているヘルニア説も疑問されている。慢性的な腰痛の85%は原因不明、原因が特定できないとされた。要するに構造的な問題ではないということである。現在の西洋医学の概念は身体とこころは分離したものと考えて発展してきている。

その考えのもとに、更に身体をパーツ別に分類して、そのパーツに何が起きているかを見つけ出すことに焦点を当てていた。そして見えてきたのが「結果」である。見えた結果を症状として捉えていることに重きをおいた。

結果を追いかけて、その結果を治療の対象にして対処療法をしてきた結果が、先の報道で賑わいを見たらした「ヘルニアは腰痛の原因ではない」である。ここまでの経緯は長きに及んでいる。既にこのことは1995年に発表されている。

この間、国内の整形外科はヘルニア説はほとんど否定されず、画像重視の検査でヘルニア説を腰痛の原因とし、症状に応じて手術の対象としてきた。その結果、良くなる患者さんもいたが、改善しない患者さんもいる。ヘルニア説が腰痛の原因で有るなら、手術後は改善しなければならない。

また、ヘルニアと言われても保存的に施術を行なっても良くなるケースが多い。ここに診断や治療方法の矛盾が生じる。この矛盾と真摯に向き合わず、高度の医療機器による検査や手術方法が、さも当たり前の如く行われている。

その結果、医療費は膨らみ、腰痛も治らない患者さんが増えてきた。なかにはMRIなどの画像検査を受けることによって改善度が遅くなるという事も起きている。画像による印象的なイメージは脳で鮮明に記憶されて、心理的に影響させている。

先日、来院された腰痛患者さんは、整形外科でヘルニアの診断を受けて手術まではしなくてもブロック注射で様子をみると言われて、何回か行ったが改善できず、更に悪化したために「身体を動かさないように」指導されて、寝たきりの状態になった。

更に、整体にっても同じに言われた、「動くと再発するから安静にしているように」同じ事を言われて半年以上も家事もせず、買い物も行かず、日中も安静にしていて居た。手に負えない患者さんの改善しない原因は患者さんの生活様式に転換して、患者さんを追い詰めてしまった。

これは明らかな「医原病」である。腰痛の原因を構造由来でしかみることのできない医療の落とし穴である。構造でみるために構造を何とかする治療では限界があり、原因が構造でなければ治療は成立しない。他のアプローチをするべきである。

筋骨格の症状を内臓疾患などの病的なものか、あるいは構造的問題か二者選択で行ている結果である。筋骨格系の問題も、新たに心理的な要因で起きているという選択も必要になる。既に始まっている統合医療では、多角的な分野が協力して問題解決に取り組んでいる。


拳骨

2011年12月9日金曜日

身体との会話104・・・AMIセミナーより


久しぶりの更新です。11月のAMセミナー後、更新しようと思っていたのだが出来ずじまいでここまでサボってしまった。さて、何を書こうか・・・前回のAMセミナーで感じたこと。愚痴めいた話になるのでスルーしても結構。

AMI公認セミナーは認定制度がある。この認定制度は任意で受けられる。認定を受けるには筆記試験と実技試験がある。この試験は国内も国際も同じ内容である。初級と上級がある。多くの方がチャレンジして取得している。

試験の合格ラインは結構高い。一夜漬けで合格は無理だろう。普段から臨床で使っていないとできない。認定書ほしさに受けても厳しい。そこそこの臨床で積んで行かないと。しかし、試験では臨床効果を試してはいない。よって、合格した先生のAM臨床効果は試験では問わないし判断できない。(見ればわかるが)

この認定取得に何を求めるのか? 肩書き? 認定書? ANJ、AMIホームページの登録? 目的は様々だろうが、本当に臨床で効果を出せているか疑問である。この認定制度には更新制度がある。認定維持のために年に1回セミナーを受講して更新する制度である。

認定を維持したい先生は年に一度のセミナーには顔を出す。認定維持のためにセミナー参加の目的を求める先生もいる。我々の技術は「手技」であるために理屈より感性が求められる。よって、技術の差がはっきりと出てくる。更に、技術的な癖が顕著に出る。

この癖は自分では気づかないものである。まして、オフィスで一人親方でやっていると誰も、癖を指摘するものがいなく気付くことができない。その癖を修正しないでおくと、癖から自己流になる。そんな先生が年に一度のセミナーに顔を出し、実技を見ていると「認定取り消しだ」と言いたくなる自己流が見受ける。この自己流は下肢長検査に表れる。

現在は認定が国内と国際がある。認定者の自己流が目立つのは国際認定者に目立つ。前回の実技では認定者に下肢長検査をしてもらい、左右差を評価してもらった。その後、小生が左右差を確認することを繰り返し行なった。8割の方が左右の判断に違いがあった。あるいは、左右差は合っていても、#2での明確な差が出ない方が多い。

左右差の評価の間違い、差がはっきりとでない・・・どうしてか? 基本ができていない。ただそれだけである。どうして基本ができないか? 基本は最初に誰も覚えることだが、基本は通過点では無い。原点である。その原点である基本を通過点で通りすぎて振り返ったり、戻ったりしないから基本が無くなってしまう。

癖か癖でないかは基本がわからないと癖もわからない。癖のある人は基本が無い人である。基本がわからないから癖がわからない。更に進んで自己流になる。こうなっては左右差などわかるわけがない。

癖は自分で気が付かないから、間違っていても、自己流でも正しいと思っている。意識的にやっているのでは無いの悪気はない。しかし、臨床の場では患者さんという大切な治療対象がいる。この患者さんに結果を出さす必要がある。評価が間違っていても良くなることもある。

それで良いとするか、メソッドに従って良くなる方がいいか・・言わずと知れた事である。再現性のある評価と結果が患者さんの利益である。もちろんAMだけが全てでは無いので、AMにこだわることもないだろうが、AMを臨床に取り入れるのであればそのくらいは身に付けてもらいたい。

自己流の人は、やはりセミナーに出る回数が少ない。そのため認定維持ために受講している方は、修正も効かなくなっていることもある。セミナーの目的は何であるか? ハウツウであれば形だけ覚えるために数回でればいいだろう。あるいはテキストと睨めっこしてもできる。

セミナーで学んだことを臨床で実践して、わからない、臨床は机上とは違う、テキストはこうだが臨床は違う・・いろいろな疑問や技術的なことの違いや疑問を次のセミナーを受講して紐解くところである。あるいは、自分のオフィスでりんという実践で腕を磨き、どれだけ腕を上げたかセミなー似でて試してみる場所でもある。

次回参加される先生は、遠慮せずにインストラクターを捕まえて自分のチェックをしてもらったほうが得である。下肢長検査の評価もインストラクターとどれだけ違いがあるのか挑戦してもらいたい。是非声をかけてほしい。楽しみにしている。


拳骨

2011年10月24日月曜日

身体との会話103・・・PCRT研究会より2


ニューロ・パターン・セラピー ガイドブックより

最初は誰でも自信がない。自信がないと技術に表れる。どっちかな? 右かな、左かな・・・迷ったら迷って反応が出る。かと言って思い込みも結果に現れる。ニュートラルで反応に素直に従う。これが身体との会話の秘訣である。

研究会でこんな質問をされた。「やるたびに反応の結果が違う。どうしてでしょうかね」答えは簡単だ。自分のやっていることを信じていないからである。信じる信じないは結果が出ることによって、自信をつけて成功体験から会得する感覚である。

臨床を行うときに、自身を持って取り組んでいるか? どうでしょうか。直せる、治せないではない。自分の臨床に自信が持てるかだ。特に潜在意識で自信が持てないと理屈が邪魔をする。理屈でいろいろ考えて感性を邪魔をするとニュートラルになりきれず、迷いや思い込みが出てしまう。その結果はバラバラになる。

技術的に未熟な部分はあるが、技術は数をこなす経験が必要である。どの技術レベルでもそのレベルでの自信を持ってもらいたい。初心者は初心者のレベルの自信。中級者は中級者の自信を持って取り組んでほしい。

心と身体の関係における症状は様々である。西洋的に専門家された分野ごとに診ていくのでは無く、心と身体の内外の関係性を診ていき、その関係性の繋がりにエネルギーブロックが悪さをして症状に現れると考えるといい。ある人は皮膚に出たり、また、ある人は消化器系に出たり、循環器にでたり、また、筋骨格系にでたりと様々である。

患者さんで雑多な症状を持っている方は、症状の初めは蕁麻疹や発熱であったりするが、そのうち熱が下がったが腰が痛くなた、下痢が続いているなどと次から次と症状が変わる人がいる。アレルギーを代表する言葉に「アレルギーマーチ」と言う言葉がある。最初のアトピーが治ったと思ったら喘息が始まった。

一つの症状が収まったら、次の症状が始まる。西洋医学的にはひとつの症状に専門家が担当するのでその専門性から症状が収まればそれで済むが、本質的には全く治っていない。代替医療も西洋医学の教育を受けて、そのまま臨床に当てはめようとすることが多い。これは理屈の世界の治療である。

10年、20年先の医療のあり方を、どの目で見るかはその先生方の自由だが、それなりの治療理念をしっかり見据えて、その理念が定まったなら自信を持って将来の自分の臨床家としての自信に満ちあふれた姿を見てほしい。

拳骨

2011年10月19日水曜日

身体との会話102・・・PCRT研究会より1


先週末にPCRT(心身条件反射療法:ニューロパターン・セラピー)研究会が行われた。このPCRTは、まさしく患者さんの身体(神経反射)に問いかけて反応を引き出して、患者さんの身体と会話する。身体と会話すると行っても、身体の反射神経の反応を筋肉を通して、神経機能を診ていく手法である。

反射をみることによって何がわかるのか? 診方によるが潜在的な緊張を見ると解釈していいだろう。この潜在的なものは、普段目を向けることは無いが、潜在意識は99%で顕在意識は1%とも言われている。最近の脳科学の進歩で明らかにされている。

また、意識は後付、いわゆるこじつけであるとも言われている。潜在意識が働きその後に意識が理屈をつけて、あたかもその人間の意思が言っているようになっている。では、この潜在意識はどんなときに働いているのか?

例えば、朝ごはんの味噌汁の具は何にしようか? これは意識的な働きで計画する。実際に食べるときに「右手で箸を持つ」「左手でお茶碗を持つ」とそのたびに意識的に考えて箸を持ったり、お茶碗を持ったりしている人はいないはずである。無意識で勝手に持っている。

この無意識での脳の緊張は、身体運動の反射系の働きを乱し、運動系であれば筋肉の過緊張を生じさせる。このことは「共縮」という現象で証明されている。スポーツ選手のイップスや試合前の緊張などが典型的な「共縮」である。身体が緊張で硬くなる状態である。

運動系外にも自律神経も乱し、交感神経が興奮し血流不全、消化器の不調、免疫系の低下まど様々な機能不全が生じる。その結果が各系の病理的な症状に移行していく。最近は心理的なストレスからの症状が多くなって来ているのは事実である。

この無意識レベルの脳の緊張は神経反射の機能を失い、筋緊張が顕著に現れて下肢長反応や筋のトーンの変化に出て筋力検査をすると力が入る、入らないに表れる。筋肉の強弱を評価する方もいる。この変化を評価して潜在意識の緊張を診ていく。

神経反射見るためにには何らかの刺激が必要になる。必要としなくてもできるがここでは誤解が生じるので刺激を加えて反応を見ることを前提とする。この刺激は身体内の物理的な刺激や化学的な刺激、思考でも反応する。

AMなら外的にストレス、プレッシャー、アクティベータ器での外的刺激で受容器を刺激すれば反応する。この反応は下肢長に顕著に現れてそれを氷解する。また、体内外の化学物質で化学物質に反応する受容器が反応する。例えば、梅干しやレモンを食べると口の筋肉が緊張して顔をしかめるだろう。更に、口の中では唾液が出てくる。味という化学物質である。

思考・・何を考えるかで交感神経が興奮して目が冴えてしまう。TVで応援しているスポーツ選手の活躍を見ていると、思わず握りこぶしを握って手に汗をかいていることもある。これらは意外と無意識で行なっている。このような状態で自律神経の乱れや反射神経が乱れて身体内外の各系の乱れを作っている。

この神経学的な反応を診て、評価していくのが「身体との会話」である。AM然り。PCRTもまた然り。身体を機械的に評価すると構造ありきで症状を見てしまう。本質的な原因がどこに隠れているかしっかり見極めることが大切である。機械的に診ていくと結果を見つけても原因は見えないことが多い。

拳骨

2011年10月3日月曜日

身体との会話101・・・受講生からの質問1(半月板損傷)

半月板損傷


大阪セミナーの時に受講生からこんな質問を受けた。他にも幾つか質問を受けたのでシェアして答える。ここでの答えが正解とは言えない。臨床的、経験的に言えることであることを理解し、臨床のヒントにしてほしい。

Q1
「今までロッキングの整復に対してはマックマレーテストの逆方向への方法で機械的に整復していたのですが、AMベイシックスキャンプロトコルにしたがって身体の神経系の調整すれば関節も落ち着くところに落ち着き半月板ロッキングも解除されるのでしょうか?」


四肢の整形外科的検査は大方は機械的に考案された検査である。時には「検査=矯正」にもなる。膝の半月板損傷でみられるロッキング現象は、なめらかな骨軟骨表面の微細な損傷から断裂まで様々である。損傷程度によっても症状が様々である。

ここで半月板損傷におけるロッキング現象は急性期と慢性期に分けることができる。スポーツ現場で外傷性の急性の場合は、半月板のみの単独損傷は少ないだろう。側副靭帯、十字靱帯の損傷も考慮しなければならい。

特に、急性期の外傷で膝関節の腫脹が顕著なときは膝内出血がある。こんな時は関節マニュプレーションはできない。よって対象外である。しかし、なかには負傷時に医療機関に行かず、翌日にカイロや整骨院を受診する方もいる。そんな時にどうしたらいいのか?

負傷時の翌日に来院した患者さんの膝はかなり腫れている。なかには膝関節が全く曲がらない膝もある。血腫があり曲がらなくなっている。引き出し、押出検査をすると緩んでいる可能性がある。断裂している靭帯はどんな手技療法でも治すことができない。転医させることがいいだろう。

十字靱帯や側副靭帯が軽度であれば必ずしも手術の対象ではない。このようなケースは我々の所でも適応になる。(患者さんとのコミニュケーションをしっかりとる)ここでロッキング現象が見られるからといって機械的に外力的に外すようなことをしたら大変だ。痛みで患者さんは大声を出す。

体の関節でもう一つロッキングを起こす部位がある。結構多い。さてどこだろうか? そうです顎関節です。アクティベータ・メソッド第2版では13章にTMJに関する機能障害が詳細に乗っている。参考にするといい。この章でもロッキングやクリック音は下顎突起と関節隆起の間に関節円板が挟まれたような状態になる。

この状態で関節運動がスムーズに行かずロッキングを起こす。では、どうして関節円板が挟まれるのか? 関節突起と関節隆起につながている筋肉が緊張するから関節裂隙の減少がおきて、円盤が挟まる考えられる。もちろんそれだけではない。

TMJノ関節運動の軌道の逸脱もある。しかし、この軌道の逸脱も関節を構成している筋肉の緊張が影響していることは間違いない。この筋緊張が関節構造の異常をきたし、関節運動の異常も起こさせて関節裂隙の減少を起こして関節円板の挟みこみが起こる。

さて、膝の半月板はどうなのか? これも全く同じと考えていい。半月板が部分断裂を起こすと大腿骨と脛骨の間に収まっている状態が通常より広がる? 面積が広がる? なんて言っていいのか適切な言葉が出てこないが、はみ出るような形になる。

そこに大腿と下腿を繋いでいる靭帯、筋肉の緊張によって関節裂隙の減少が起きて、TMJ同様の挟みこみ減少が起きる。TMJと同じような機能障害が起きてロックすると考えてもいい。よって、治療は関節を構成している筋肉の緊張を解除すればいい。

筋緊張が解消されないのに機械的にこうやって、ああやってとやってもできなことは無いが、痛みや反射的な緊張で更に機械的な動きは困難にになり解除ができなることもある。やはり、筋緊張を解除することがいい結果になる。

拳骨

2011年9月27日火曜日

身体との会話100・・・治療時間4

リズムのある治療を行うAM臨床家

昨日は君津木更津剣道連盟主催の剣道大会があった。この大会にANJでチャリティボランティア治療を行った。ボランティア治療の参加者は二入だけでちょっと寂しいような気もしたが、実際に治療を始めると、どういうわけか楽しい。

ふたりだけでも、そんなに会話ができる時間もなく治療に専念していて休む間もないくらいだった。それでも楽しかった。楽しいとは面白くおかしくという意味では無い。エネルギー的にストレスも感じず疲労感もなく心がはずむような感じである。

どうしてかなと昨夜は考えた。答えは出なかった。今日、一緒に協力してくれた先生からメールが届いた。「二人で自分たちのペースで出来たので比較的楽でした。また一人当たりにかかる時間も同じぐらいだったので、お互いのリズムが狂わなかったのも疲れなかった要因ではないでしょうか。」
なるほど。

ペースがあったり、治療時間が同じであったりと相方とのリズムが良かった・・・治療人数も二人で32人で一人一人が全く同じで16人だった。全く同じペースなのは言われてはじめて気がついた。治療時間が同じであるということは治療の間のとり方、患者さんと治療家の間のとり方(この場合距離では無い)がふたりとも全く同じだったのではないかと思う。

こういうこともあるのだと思った。治療結果も然ることだが多分患者さんの気持も良かっただろうと思う。治療が終わるたびに患者さんから感動の声や驚きの声が聞こえた。決して大げさではない。治療をして終わった後の変化に驚くことは日常の臨床によくあることだ。

さて、治療時間の中に小生は「間のとり方」が必要だと思う。「間」とは・・考えると難しくなるのでここではリズムと考えたほうが理解しやすい。例えばAMの治療は非常にリズムが良い。特に検査と矯正、再検査がリズムよくセットになっている。また、検査と矯正が患者さんの姿勢をいちいち変える事無く腹臥位で一連の流れでできる。こんないいことは無い。

アイソレーションテストやストレス、プレッシャーを行うのもリズム(流れ)があっていい。このリズムは術者と患者さんとの関係にも無言のコミニュケーションが成立している。アイソレーションは患者さんが能動的に行う、治療に積極的な参加だ。患者さんが無意識うちに治療に参加することは潜在的に自然治癒力を高める。

このリズムでのアイソレーションは患者さんは踊りを踊っている感じをするかもしれない。きっと脳は喜んでいるはずだ。脳の活性化は生命の活性化につながる。脳は常に考えたり、新しい情報への興味は非常に活性化する。右手を上げて・・・この言葉で脳は新たな情報が入ってきて活性化する。

アクティベータ器の振動刺激も然ることだが、言葉での誘導にたいして患者さんが自主的に考えることは中枢系から生命の活性化を促す要因でもある。初心者にとって、検査と矯正のリズムをとるのはすぐにはできないかもしれない。下肢長の長さに目を奪われると、どちらが長い短いにこだわってしまう。

下肢長の評価に目を奪われると、判断がつきにくい部位で何度もやり直しをしてリズムが来るてくる。小生なども時折ある。こんな時はこの部位は飛ばして上のレベルに行ってもいいと思う。その理由も経験と共にわかってくる。逆にリズムよく検査、矯正ができるようになると評価が迷わなくなってくる。

さて、このリズムはどうして身につけるのか・・やはり、いつもいいているが理屈では身につかない。身体で何度も体験して繰り返し、繰り返し覚えるしか無い。他の人に聞いても答えはもらえないだろう。治療時間はこのような間のとり方、リズムが大切で、これらが身につくと、治療時間が設定できる。

更に、治療時間が20分と設定したらその20分で治療計画を立てる練習しておくといい。ベイシックは必須である。次に症状と脊椎レベルの#3,#4、#5を組み合わせてこの刺激はどのような反射を引き出すかを考えればさほど時間はかからない。


拳骨

2011年9月21日水曜日

身体との会話99・・・治療時間3

2011AMI本部公認AMJ主催AM大阪セミナー

先週末はAMI本部公認のセミナーが大阪で開催された。スタッフや受講生に助けられて無事終了した。毎回、大阪は熱いセミナーで質問もいろいろな質問を受ける。楽しみである。今回の大阪セミナーでは治療時間のチーム学習があった。

チーム学習の前に受講生の治療時間や患者さんとのコミニュケーションの撮り方などアンケートを取り、参加にしていただいた。治療時間はまちまちである。先生方のオフィスの治療内容や施術料金なども反映された治療時間になっていた。

さて、前回も話しをしたが治療時間というのはいろいろな意味を含む。経営的なマネージメントあるいは治療技術の程度、患者教育・・・いろいろ考えると治療時間が設定できる。基本的には短時間で効果のある治療が、患者教育になり患者さんの満足度高まる。

治療時間は、暇だから少しサービス的に他の部分もみたり、時間を余計にかけたり、忙しいいから時間を短くしたりはしないほうがいい。暇な時に時間をかけると患者さんはそれが当たり前の治療時間になり、通常の時間治療を行うとなんとなく損な気持になる。

また、忙しいくて後が詰まっているから、時間短縮のつもりで端折った治療になってしまうのも良くない。これな時間短縮ではなく「手抜き」である。患者さんは一番嫌がる時間治療である。あの人には時間をかける。私には時間をかけない。患者さんは差別感を感じる。

CCRKは20分治療である。この20分でどんな治療をするか「治療計画」を立てることが大切になる。同じ腰痛でも原因が様々である。原因をしっかり見つければ治療時間はそんなにかからない。治療に時間が掛かる人は、症状を追いかけて原因を見誤りごじゃごじゃな治療になっている。

腰痛の原因、四十肩の原因、ひざ痛の原因・・・必ず原因がある。原因を的確に短時間で見分けることが必要である。すぐに出来るかというとそうは行かないが、焦点をそこに合わせていればわかるはずだ。焦点を症状に合わせると原因がぼけて見失う。普段からそのような原因を追求する検査や治療をしていくほうが良い。

原因を探る検査一つを取り上げてもそうだろう。モーパルでもいいが、脊椎一つ一つを検査していたのでは時間がかかる。更に、矯正して正しく矯正されているかも再検査する必要がある。時間の掛かる作業だ。

AMはそれが簡単に短時間でできる。更にいいとこは客観性があり、再評価が簡単にできる。いいとこずくめである。リスクがすくなく効果的、短時間こんないいものはない。更に、AMの技術も向上してくると症状と横レベルの神経関節障害と症状の関連性がわかってくる。

症状と脊椎レベルの神経関節機能障害との関連性がわかれば、余計な検査や矯正はしなくてもよい。更に時間はかからなくなる。それにはやはり、ベイシックの治療は必須だ。ベイシックの治療が成立していれば70%~80%は治療は成立している。そこまで治療が成立してれば後は楽である。

ここまでの流れを、患者さんとの問診、姿勢、ROMなどで5分くらいで探し見極める。また、原因が心理的、科学的な要因がないかを見極める。そこまではなるのは時間が掛かる。と、思うかもしれないが普段からその要は訓練をしていくことが早道である。やれば出来る。

拳骨

2011年9月14日水曜日

身体との会話98・・・治療時間2



さて、前回の続きで治療時間についてCCRKの治療時間を紹介する。CCRKの治療時間は初診は問診、治療法の説明で約30分~40分(これが良くない)。施術は初回は施術方法の説明が入ってしまうので30分くらいかかってしまう。特に施術中に患者さんから「今のは何ですか? パチンは電気ですか? どうして軽くなるんですか?・・・」いろいろな質問が来る。

最初の施術の説明でうまく説明しているつもりでも、患者さんは理解していないようである。よって二重手間になってしまう。改善の余地あり。施術前に説明するか、施術中に説明するか・・どちらが良いのか・・これを改善すると10分は違うはずである。

二回目以降は20分の設定である。一こま20分で設定している。CCRKは料金が田舎料金であるために時間計算すると20分が妥当な施術時間である。さて、この20分で何ができるか? 患者サンの症状や希望する改善度はまちまちである。時間マッサージでハイ、何分・・で終わればいいのだがそうは行かない。

ある程度の症状を改善し、料金と症状の改善度が一致しないと患者サンも納得してくれないだろう。患者サンの希望は何か? 知ることは大切な事である。これを知ることによって改善度の程度もどこまで改善するか決まってくる。そこを知るテクニックは色いろあるだろう。問診表でもいい。問診でもいい。ここではこれはおいておく。

急性期の、例えばギックリ腰の患者さん。痛くて動けない人にあれこれと説明はいあらない。こんな患者さんは説明より、痛みをすぐに取って欲しいだろうから、先生方の施術の適応化、禁忌かを適切に判断してすぐに施術に取り掛かることがいいだろう。痛みが改善された後に説明を知ればいい。

痛みで困っている患者さんの脳は、「今のこの痛みを早く取りたい」という思考に走っているので、他の情報は入ってこない。他の話は受け付けない。施術後に痛みがある程度改善すると、適切な施術と判断して、脳は安心して他の情報を受け入れることができる。更に、脳がこの状態のときは正しい情報として信頼度が高まり、より強固に情報をインプットする。

さて、急性期のギックリ腰の患者さんの施術時間は? 症状によって変わると思う。しかし、前回述べたように時間をかければいいということはない。ある程度、施術を進めていくと、何回の施術が必要かがわかるだろう。その時点でわかれば、後はその回数に分けて施術を行えばいい。

例えば、3回の施術が必要であれば、腰の痛みで歩けない人は歩けるようにすればいい。2回目は日常生活に支障がないまで。3回目で社会復帰。まず、何回で社会復帰ができるかを計画する。計画が出来れば一回の施術で時間をかけてまでもむりをして改善しなくてもOKである。かかっても20分~30分だろう。それ以上やってもそれ以上は改善しない。

それをむりにやると、施術者も何をどうしていいのかわからなくなり、痛みの症状を追いかける施術になり原因を見失いって施術者が混乱する。そうなると時間だけかかり、さほどの改善が出来ず、患者さんの希望にそえなくなる。程々に・・

拳骨

2011年9月6日火曜日

身体との会話97・・・治療時間1



前回、治療時間がかかり過ぎる話をした。みなさんの治療時間はどのくらいでしょうか? この治療時間とは実際に患者さんに手をかけている時間である。説明や世間話は含まない。なかには世間話も治療だという先生もいるかもしれない。それはさておいといて・・

私の尊敬しているDCが治療時間についていった。「手術を考えてみろ。時間が掛かる手術は難儀しているからだ。簡単な手術は時間がかからないだろう。」よく、カイロの治療時間と手術の時間を比較して話をしていた。なるほどなと思った。

心臓外科の手術などはいい例である。実際に開胸して手術を初めて、あってはいけないことだが間違って正常な血管や神経、臓器に傷をつけたりしたら当初の手術計画より余計な手間がかかる。その分時間がかかる。よって単純にみても時間の掛かる手術は難儀している問題がある。

手技の治療も同じである。症状の診たてに応じた治療計画をたてる。そのとおり治療を初めて、治療後に患者さんが満足できる結果が出ないと、更に追加治療ではないがここをいじって、あそこをいじってとどこでも構わず手を加える。

なかには、患者さんが「ここが痛い」というと痛いところを追いかけてついつい手を出す。これで時間を結構食ってしまう。これでいいのか? 最初の診たてと計画はどうなってしまうのか・・・やはり、原因を改善することは症状の早期改善になることである。

さほど結果が出ないと、患者さんの言いなりではないが、患者さんが痛い場所に目標を変えてしまい、対処的な治療になりやすい。はやり原因の改善を忘れないようにしたい。いたい部位は原因の改善が終わった後に、治療をすればいい。

さて、実際の小生の治療時間は15分~20分程度である。いけないのは暇なときについついサービス精神で余計なことをしてしまうことである。(笑)これは良くない。患者さんは勘違いをする。地祇の治療の時に通常の時間ないで終わると、前回より時間が短いと思うかもしれない。この勘違いは営業に影響ることもある。

暇だから時間をかける。忙しいから時間を短くする。これは一番いけないことである。患者さんは忙しい時ほどオフィスの雰囲気を感じている。小生も反省しなければいけない。患者さんが詰まっていいると、次の患者さんをまたしてはいけない、結果を出さなければいけない・・いろいろなプレッシャーでついつい、言動に表れる。

口調が強くなったり、歩j行動作が早くなったり、触診などに力が入ったりと・・患者さんは敏感に悟っている。レストランに食事に言った時などみなさんも感じることがあるはずだ。忙しいときは注文したものがなかなか出てこないで、出てきたら食べ物が冷たかったり(笑)、注文とは違った食べ物が出てきたり、客のの入れ替え後のテーブルが汚れていたりと目につくはずである。なかには店内を走り回っている従業員も目に付くことがある。我々のオフィスも全く同じである。

拳骨

2011年8月30日火曜日

身体との会話95・・・袖ヶ浦市空手道大会ANJボランティア


28日の日曜日は袖ケ浦市(千葉県)の空手道大会の選手、役員、父兄の方の治療ボランティアを行った。昨年同様ボランティア治療はチャリティということで治療費は無料であるが、社会福祉に寄付金ということで1コイン(500円)で募金を募って行われた。

ANJからの治療スタッフは8名、テーブル4台、治療時間は9:00~14:00出会った。治療総人数は約50名。症状的に多かったのは、選手は腰痛、膝痛など。役員は肩こり、頚部痛など。急性期の外傷は今回は少なかった。ほとんどが日常の慢性的な症状であった。

なかには、ヘルニアの手術をした方や全身の痛みを訴える方や、スポーツ外傷で半月板除去手術、股関節置換手術したかなど多義な症状であった。選手はやはり外傷による古傷や使いすぎ症候群が多く、それでも我慢して稽古をしているようであった。やはりパフォーマンスも低下している。選手は指導者は慢性的な疲労に気づいて欲しいものだ。

今回、協力してくれた治療スタッフはAM臨床の中堅どころで治療結果もよく患者さんからの受けが良かった。また、臨床経験も豊富で患者さんの接客などもベテランらしい、味のある接客をしていた。小生も参考になった。

このような形態で治療を行うと、普段のオフィスの治療とは違って、時間や接客にも戸惑いを感じるが、全体的に普段通りの臨床ができたと思う。特に気がついた点といえば、少し治療時間にかけすぎていた先生がいた。

通常であれば15分から20分がいいところだろう。どうして時間がかかるか・・今回のテーマは「治療時間」である。治療時間は説明を省いての実際に患者さんに手を触れる時間である。世間話や問診は別である。それは先生方の個性があるから、話はしっかり聞くという先生もいれば、話より結果が先だ・・という先生もいるだろう。今回の課題は実際に患者さんに手を触れる治療時間である。

AMのようところは、検査が客観的に誰でも同じに評価できるということである。よって、短時間で検査治療ができる。検査や治療の無駄が省けて短時間で治療が行えるにはどうしたらいいのか?臨床においてこの治療時間は重要である。集客の要素でもある。

大方の先生方は、ある一定の時間割を作って、一枠の時間配分をしているはずである。どうだろう、当院は20分である。治療時間は15分くらい、その後説明などである。初診は別である。メンテンナンスでくる患者さんはこの時間で十分である。

時間配分ができたら、忙しくても暇でも同じ時間内で行うことが鉄則である。暇だとついつい余計な治療までサービス精神で行ってしまうことがある。小生も同様である。ここは反省である。逆に忙しいと丁寧さが亡くなって時間短縮してしまうことがある。これも良くない。


拳骨

2011年8月26日金曜日

身体との会話94・・・慢性期のオスグッド症4



写真は初回来日の治療後の症状が緩和した状態である。前回の写真は治療前の症状である。前回は痛みのために膝関節の屈伸運動ができない。治療後は屈伸運動がその場でできるようになる。AMでは、誰がやっても同様の症状の緩和が期待できる。特別なものでもない。

オスグッドの症状に目を奪われずに、オスグッドの発症メカニズムに目を向けることである。発祥メカニズムも最初は機械的に考えていいだろう。特に慢性的な症状は主動筋と拮抗筋との力関係(筋緊張)に大きく影響を受ける。このあたりの考えは機械的になる。

主動筋か拮抗筋の緊張状態によって、主動筋の仕事、拮抗筋の仕事が正常に働かなくなる。要するに主動筋と拮抗筋の機能障害による膝関節の屈伸機能が低下して、常に大腿四頭筋の緊張が高まっている状態になっている。

当然、膝蓋腱の緊張も高まり脛骨粗面の軟骨部が引き剥がされるような形になり軟骨が盛り上がる。これがオスグッドの発症メカニズムである。この時の四頭筋の過緊張が過剰な運動、成長による緊張で起きるということには異論がある。

単純に運動のしすぎ、成長して痛みが出るとは言いがたい。まさに機械的な考え方である。少なくても有機的な思考で臨床を行っていればこの意見に同意することはできないだろう。筋肉の緊張は神経学的な反応である。ただ単に力学的な観点からのみで筋肉の緊張をみるのではなく神経学的な観点からもみるべきである。

脳梗塞などで脳細胞の壊死が生じると、反対側の半身麻痺が生じることは素人でもわかる。脳細胞が壊死を起こさなくても、脳細胞の疲労によるものでも反対側の末梢系の神経支配の機能低下が生じる。このことから筋肉の緊張は力学的な使いすぎに限定することは無理がある。

力学的な作業をしない方でも、ディスクワークで精神的(脳の疲労)でも肩こりや腰痛は起きる。そう言う方のほうが圧倒的においいはずだ。そんなかたを治療していることが多いはずである。精神的疲労、すなわち脳疲労は反対側の末梢系の神経機能を著しく低下させる。

脳疲労で反対側の筋肉と腱は力学的な張力をバランスよく打ち消しているはずが狂いが生じる。例えば膝に10の力が加わる負担を四頭筋が4、上下の腱で3.3・・6の張力で、合わせて10の力を分散している。これでいいぶんである。

脳が疲労すると、末梢、すなわち四頭筋と腱も正常に機能しなくなり張力に対する打ち消す配分が狂ってくる。四頭筋4だったのが3になり、その分1が膝蓋靭帯に負担になり3だったのが4になってしまう。その膝蓋靭帯の張力がまして腱付着部の力が増して膝蓋軟骨が腱より弱く、軟骨部分が炎症、後に牽引による軟骨増殖して盛り上がる。

神経学的な観点からオスグッドの発症メカニズムを推測して見たが、これが推測通りに臨床で神経学的に治療を進めていくと写真の通りに治療後は、緊張がとれて膝関節の機能は改善する。当然痛みも軽減する。このような治療が誰でも同じにできるのがAMである。

拳骨

2011年8月17日水曜日

身体との会話93・・・臨書

東洋は伝統工芸が盛んである。この伝統工芸の継承は口伝えが多く、記述的に詳細に記録して伝承しているのは少ない。感覚を数値化して誰でも同じことができたり、作ったりすることが理想である。手技療法の技術も同じである。

手技的なものを数値化して、誰でも同じ数値を出せば同じ治療結果がでる。こんないいことはない。これは西洋的な人間支配の文化である。人間が最高の生物で人間より上位に存在するのが神である。しかし、この神も人間が作ったものである。

西洋の文化は、数値化された機械的な文化であり、その機械的思考は医療の分野でも浸透している。カイロプラクティックも同じである。DDパーマは毒や精神も身体健康に影響するといって、必ずしも構造異常だけを原因であるとは言っていない。

数値化することによって、誰でも同じ結果が出ることは世界共通の結果が出るということである。しかし、カイロは本来手技という言葉である。手技を数値化すること自体が無理がある。まして、右がずれている、左がずれているといったことを手で触診しながら評価することは感覚の世界である。

感覚は数値化することは出来ず、言語で表現することもできない。まして、教えることができない。しかし、感覚で感じ取ることができると、何を言っているのか、訴えているのかがわかるようになる。臨床検査で出てくる数値は白黒はっきりさせて基準的な線引きをして、グレーの世界を見逃している。

このグレーの世界を見逃すと、数値では正常だが、症状は出ている。あるいは、数値では異常だが症状は出ていない。薬は飲んだほうがいいになってしまう。現代医学の盲点、いや機会論的思考の盲点といいべきだろう。

話は飛ぶが、臨書という言葉がある。臨書とは書道の世界で手本を真似てそっくりに書き上げることである。一言でいいえばそうだが、この臨書は奥が深い。たかが真似事かと思うが、そう思う人にはたかが真似事で終わってしまう。それ以上のものは無い。

先人の書物をそっくり写し書きをして、先人の心を読むのが臨床である。例えば、書道のしんにゅう、跳ね、止めなどの筆運びに心が表れる。先人が書いているときに何を思っているのかがわかるという。心の緊張が字に現れるという。

臨書は、ただ真似るのではなく先人がどんな思いで書いているか、感じ取ることができるという。先人の心が読めると言っていい。手技の世界も真似事から入る事が多い。最初は、ただ漠然とやり方だけを真似るだろう。それでいいと思う。

習得技術が進むに連れて、真似事から自己の個性?が出てくる。個性であればいいが、自己流になってしまう。自己流になると自分で外から見ることが出ず、大海が見えなくなる。危険である。そんな時は先人の一挙手一動作を真似て、どんなおもいで行っているか考えながら行うのもよし。

お盆休みも無駄にならない気づきが得られた。

拳骨



2011年8月9日火曜日

身体との会話92・・・第6回ANJ臨床研究会


7日に行われた第6回ANJ臨床研究会で「ねこ背がスッキリ治る本」(中経の文庫)の著者原先生(いいだ整骨院院長)の講義のである。本の内容に沿ってねこ背の自己矯正のエクササイズの実技である。

このたぐいの本は山ほどあるが、その中でも5万部売れた。一般的にイメージしていた、あるいは整体や整形外科の姿勢の良し悪しを身体骨格のS字湾曲からの視点を違った角度で見ている。なるほどと思うところである。

長年の臨床から培った身体骨格の異常を、一般論から違った視点からのアプローチは臨床経験の豊かさから来る鋭い目線である。実際に受講生も行ったが思った以上に、身体骨格の機能を思うように働かせることができないことに気づいていなかった。とても面白い講義であった。

さて、本題の身体との会話は、かなりシンプルになってきた。「森を見て木を見る。木を見て森を見る」この基本的な考えを実践していくと、手技治療の無駄が多いかわかる。人間の身体は「心身一如」この関係性は一見複雑であるが、術者の思考でシンプルになる。

参加された先生方は、複数回履修されているので、飲み込みが早く臨床の現場で実践的に使えるはずだ。引き出しのアイテムはいくつあってもいい。こノテクニックもその内の一つと思って使ってもらえれば嬉しい。身体の変化が気づくようになると治療の面白さがわかってくる。

現代医学は専門分野にに特化したスペシャリストで、身体のパーツをみることに長けている。我々代替医療は「心身一如」この関係性を大切に、身体の各系の繋がり、関係性に目を向けて診立てをして行くことが大切である。一つの系にこだわってしまうとどこかでボタンの掛け違いをしてしまう。


拳骨


2011年8月5日金曜日

身体との会話91・・・「月間手技療法」AM症例報告

急性外傷の足関節捻挫と慢性的に繰り返すオスグッド症をアクティベータ・メソッドで早期に改善した症例を「月間手技療法」(たにぐち書店)8月号、9月号に連載した。

8月号は「アクティベータ・メソッドによるスポーツ外傷・障害へのアプローチ1」~アクティベータ・メソッドの正しい理解~ AMの発展経緯、日本でのAMの現状、AMI公認セミナーの導入、AMIIの一人歩きなど、AMの理解を深めてもらうための記述である。

9月号は「アクティベータ・メソッドによるスポーツ外傷・障害へのアプローチ2」~急性外傷の足関節捻挫と慢性的なオスグッド症の早期改善症例~ 身体との会話で述べているようなことを実際の症例を系統立てて報告している。

AMは手技を提供する先生方には、特別面白みのあるテクニックではない。誰でも同じようにでき、更に同じ結果が出る。当たり前のようなテクニックであるが、AMの特徴はそこにある。誰でも同じようにでき、世界共通の治療が受けられる。

拳骨

2011年8月2日火曜日

身体との会話90・・・慢性期のオスグッド症3


今回の急性外傷とオスグッドの症例は「月間手技療法」(たにぐち書店)8月号、9月号に連載される。興味のある方は一読されることを願う。特に、AMをいまいち理解できていない方は必読である。

8月号は症例報告の前に「アクティベータ・メソッドの正しい理解」である。AMとは何か? AMの発展の背景、独り歩きしたアクティベータ器、AMの普及などを述べた。読むことによりAMノ理解が深まるはずである。

9月号は、身体との会話で再三言っている「森を見て木を見る、木を見て森を見る」を臨床にはてはめて症状や、患部にとらわれることなくAMにしたがって治療を進めていくことでいい結果が出る症例として、急性外傷の捻挫と慢性的に再発を繰り返すオスグッド症の早期改善した症例報告である。

この項では症例報告の内容について詳細は記載できないが、以前同様に臨床的なヒントになることは紹介していく。

写真は、初診の時の膝屈伸運動の状況である。写真の角度までしか出来ず、痛みも強く歩行すら痛みで跛行している状態である。脛骨粗面の骨隆起もあり、特に左の隆起は右より顕著である。ポジション的にキャッチャーは不可能な状態である。

さて、治療だがいつものごとくAMに則ってベーシックを取り、その後四肢を見ていくといった基本をしっかり治療していくだけである。手技にこだわる先生方には面白みのない治療法である。手技技術を売り物にする手技療法は、ある意味技術の向上は自己満足の部分がある。

自己の技術に酔いしれて、臨床の本来の姿が隠れてしまう傾向にある。それもよし。結果が良ければ患者も満足、術者も満足それでよし。技術に拘る必要もないだろう。よって、AMはさほど面白みのない治療法である。

AMに則って治療を行っていけっば誰でも同様の結果が出る。手技技術を売り物にするには、まこもってつまらない。誰でもできてしまう。また、AMの良さがそこにある。そう、誰でもで切ることがいいことである。誰でもできることが患者にとっては大き利益である。

世界共通の治療が世界中で受けられるのである。こんないいことはない。Df.Fuhrの狙いはここにある。自己満足に陥りやすい手技療法を誰でも、簡単にできていい結果が出る。まして、世界共通の治療理念で世界中どこでも、同じ治療が受けられる。こんないいことはない。


拳骨

2011年7月27日水曜日

身体との会話89・・・慢性期のオスグッド症2


治療の基本である。患部のみを見るのではなくて、全体を見て患部を見る。これが治療の基本である。この形で治療を進めていけばさほど難しくない。慢性期のオスグッド症を見るときに、痛みという症状をみたり、骨隆起のある患部を見るとそこを何とかしなければならないとみてしまう。

どうして骨隆起が起きるのか、痛みが出るのか? そこを全体論的に見ていくことから始まる。全体論でみないで痛みのある部位、変形した部位を何とかしようと対処療法的に進めていくと、一時はいいかもしれないが、再発するといったダラダラ治療になる。

オスグッドの発症メカニズムは、いろいろ言われているが、成長段階の子供が骨の成長に軟部組織が追いつかず炎症を起こして痛みが出る。あるいは、成長段階でスポーツを過剰に行い、膝の軟骨が筋肉に引っ張られて軟骨がはがされるから。

力学的な発症メカニズムとしては考えられないわけでは無いが、成長痛にはむりがあると思う。成長痛に結びつけると成長段階の子供たちは全員がならなければならなくなってしまう。過剰な運動?これも一理はあるだろう。

しかし、これも発症の引き金にはなるが、決定的ではないと思う。オスグッド症を始め膝の障害は圧倒的に左側が多い。臨床されている先生は統計をとって見るといい。スポーツをやるやらないにかかわらず膝障害は左が多い。

高齢者の膝痛も左が多い。スポーツ活動で痛める膝も左が多い。過剰な運動であれば、右利きの人が多いはずである。当然、利き足も右になり左右の足の活動能力を比較すると右足の活動能力が多いはずである。その分右足の筋肉の活動能力も高くなっているはずである。

過剰な運動であれば、右足の活動能力が高くなる右足の膝が痛くならなければつじつまが合わない。しかし、臨床的に見ても左足の膝の障害が多い。臨床的な事実と理屈が合わないことをどうやっても説明がつかない。矛盾が出る。

この矛盾を全体論で見ていくと、なんとなく解決できる。もちろん科学的な検証は無いが臨床的なもので、その推測のもとで治療を進めていくと解決する。解決することは推測が全くの当てずっぽでも無いということである。

拳骨

2011年7月25日月曜日

身体との会話88・・・第6回ANJ臨床研究会

残りの座席数がわずかです。申し込みはお早めにお願いします。

会場の変更に伴い、若干の余裕があります。

第6回ANJ臨床研究会のご案内

◆ 日時:2011年8月7日(日)午前9:30~12:00 午後1:00~4:30


◆ 会場:東京・都墨田区江東橋2-18-8 第六ミナミビル 3F

  http://www.k-rooms.jp/lunch/pdf/map_print.pdf
◆ 講師:菊地光雄B.C.Sc L.B.S

◆ 受講料:18,000 円

◆ 募集定員:先着15 名

◆ 受講資格

◆ 2011 年度AMI 国際、ANJ 国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。

 

* アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。

* こちらで確認してください

   ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

  http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479375.html
★ 研究会の問合せや質問は、CCRK菊地までお願いします。

  TEL0438-98-9811 ccrkK@kisarazu-chiro.com

★ ANJ臨床研究会の内容等詳細についての質問はANJ事務局では返答できませんので、事務局への   

問合せや質問はご遠慮下さい。よろしくお願いします。★

★ 申し込み先 ★

 アクティベータ・ネットワーク・ジャパン事務局

 申し込みはこちらから

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479373.html
 電話、FAX、メールでも申し込めます

  TEL&FAX: 092-732-4533

  E-mail : info@activator.gr.jp

★  申し込み締切日2011年8月2日(火)PM 1:00 まで ★



=================================


拳骨

2011年7月19日火曜日

身体との会話87・・・慢性期のオスグッド症


急性期の捻挫の復習である。急性期の捻挫の大方は整形外科を受診しレントゲンを取り、骨折の有無を確認する。その後1,2週間経って経過が芳しくなくて代替医療に訪れるケースが殆んどである。なかには今回のように負傷してすぐに来院するケースもある。

現代医学の盲点は病理中心の思考から治療を成立させようとすることである。診断すなわち結果を的確にみいだし、宣告することで患者も「これが原因か」と納得することである。診断は的確にできるが治療法が無い。

捻挫を機能的な側面から見れば、機能障害の契善にはAMは理にかなった改善ができる。病理に伴った機能異常の改善が臨床的には有効である。捻挫を機械的に見ると盲点で先行きが見えなくなる。機能障害を有機的な他の機関とのリックを開放的に似ていくことが必須である。

機能障害と病理とは後先を決めることはできないが、急性期の場合は病理による機能障害とみたほうが治療結果は良い。慢性期の機能障害と病理の関係は、先に機能障害が起こり、病理(結果)になると考えたほうがよさそうだ。もちろん決め付けは良くない。検査で判断することが肝要である。

さて、オスグッド症はスポーツ障害の膝部門では上位に入る慢性的な障害である。慢性的というのはスポーツを繰り返すと何度でも再発することである。安静にしていると痛みがなくなり、再度練習を行うと再発するといったケースが多い。

機械的に膝だけを考える治療を行っていると再発を何度でも繰り返す。更に、筋力強化やストレッチングの指導を行う。しかし、功を奏しない。また、このような治療と指導は時間がかかりすぎる。半年や1年以上もかかることがある。そんなことをしていたのではスポーツを行う時間がなくなってしまう。

写真の彼は小学5年生から発症し現在高校2年まで繰り返す痛みがある。小学1年生から野球をはじめ5年生で発症し、高校2年の現在まで練習をやると痛くなる。しばらく練習を休んでいると痛くなくなる。練習を再開すると痛くなる。それの繰り返しである。一時は野球をやめることも考えたらしい。

また、中学や高校になると周りの目を気にし始め、別メニューや練習を休む事を敬遠する。心理的にも影響する。もちろんいろいろな治療は受けている。しかし、どこの治療も機械的に膝の痛い部分しかみないために結果は同じである。治療では治らないと諦めて、結局治療を行わなくなってしまう。

そのような選手は沢山いる。彼は特別なケースではない。さて、このような慢性的な再発を繰り返す症状をどのように改善していくか紹介する。写真では分かりにくいが、彼は両膝の脛骨粗面が隆起している。特に左側が顕著に見られる。オスグッド症の典型的な骨変形である。

拳骨

2011年7月13日水曜日

身体との会話86・・・急性期の捻挫6


2回目に来院したときの屈伸運動である。初回の治療後にはほとんど腫脹と痛みは軽減して、可動域もだいぶ改善した。歩行さえも困難だった足関節が、写真のように可動域も改善し屈伸ができるようになった、。

2回目の治療後には、明日からのリハビリメニューと練習のメニューを作成して部活中の練習時間内で行わさせる。リハビリと練習は臨床研究で紹介したような神経機能を重視したリハビリである。もちろん練習メニューもスキルより神経機能を重視した内容になる。

リハビリを指導する際は、筋肉に目を向けて、捻挫にはこの筋肉が弱いから、この筋肉が内反の動きに関係するから・・筋肉に目を向ける傾向にある。捻挫に筋肉が関与していることは街がない。しかし、筋肉が働くのは神経支配であることを忘れてはならない。ましてカイロは神経機能を改善するテクニックである。

ここまで回復すると、後は回復が早い。日を追うごとに運動機能が向上する。練習も強度と時間を適切にアドバイススルことである。出来れば指導者との連絡を密に取り、練習メニューやリハビリを尊重して、選手が他の部員から蔑視されないような配慮があると回復はもっと早くなるだろう。

もう一つ大切な事は、捻挫を機械的にみて、靭帯が伸びている、切れている、筋肉が弱いから・・・と考えてテーピング等で固定しないことである。不安定を打ち消すために外側から固定することによって回復は遅れる。足圧の受容器を刺激するために行うテーピングは施工した方がいい場合がある。その場合は積極的行ってみる。

拳骨


第6回ANJ臨床研究会開催のお知らせ

◆ 日時:2011年8月7日(日)午前9:30~12:00 午後1:00~4:30

◆ 会場:東京・都墨田区江東橋2-18-8 第六ミナミビル 3F
  http://www.k-rooms.jp/lunch/pdf/map_print.pdf
◆ 講師:菊地光雄B.C.Sc L.B.S
◆ 受講料:18,000 円
◆ 募集定員:先着15 名
◆ 受講資格
◆ 2011 年度AMI 国際、ANJ 国内ベーシック、アドバンス認定者のみに限定させていただきます。
 * アクティベータ施術院データーベース登録されている認定者のみです。
 * こちらで確認してください
  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
 http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479375.html

★ 研究会の問合せや質問は、CCRK菊地までお願いします。
  TEL0438-98-9811 ccrkK@kisarazu-chiro.com

★ ANJ臨床研究会の内容等詳細についての質問はANJ事務局では返答できませんので、事務局への問合せや質問はご遠慮下さい。よろしくお願いします。★

★ 申し込み先 ★
 アクティベータ・ネットワーク・ジャパン事務局
 申し込みはこちらから

  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
 http://activator.blogdehp.ne.jp/category/1479373.html
 電話、FAX、メールでも申し込めます
  TEL&FAX: 092-732-4533
  E-mail : info@activator.gr.jp

2011年7月11日月曜日

身体との会話85・・・第39回東京セミナー

土日と第39回の東京セミナーだった。ベーシックとインターミディエイト(四肢偏)であった。インターミディエイトはAMではどんな位置づけか。教室で先生が生徒全員に「明日は試験があるから勉強しましょう」と言うのがベーシックである。

しかし、必ずしも全員が先生の話を注意して聞いているとは限らない。なかには隣の人と話をしていて聞いていない生徒もいる。あるいは、居眠りをして聞いていない生徒もいる。そんな聴き逃した生徒の肩を叩いて、個別に話をすることがインターミディエイトである。

受講生の傾向を見ると、最近は始めて間もない初心者が多くなり、ベテランの先生方が少ないように感じる。そのなかでも10回以上参加されているベテランの先生は約一割くらいいる。参加意欲に頭がさがる思いである。

感想を聞くと、参加すると勉強になる。今まで忘れていた、あるいは自己流になっていた等気づきが多かったようである。また、こんな意見もあった。ベテランだけを一つのテーブルに集めて、徹底的に癖を修正したほうがいい、天狗の鼻をへし折ってほしい、自己に厳しい先生の意見である。

ベテランといえ、若手の勉強熱心に圧倒されて、負けじと意欲が湧いたのだろう。いい刺激を受けたらしい。小生も含めて年をとると頭が固くなり、これでいいだろう、今更・・なんになる、これ一つでいい・・いろいろな弁護士を雇い言い訳をするようになる。・・一般的にこのようなことを頑固とかいう。(笑う) いずれにしてもベテランもセミナーに参加すると少しは気合が入るようだ。いつまでもう続くといいのだが・・・

初心者の先生方や中堅は意欲がある。特に臨床に取り入れている先生方は、臨床で実際に使っているといろいろな疑問が出てくる。その疑問をセミナーで解消しようと質問してくる。いいことである。しかし、テキストをみて机上の上で疑問を持つかたがいる。

もちろん悪いことではない。机上の疑問を臨床の場で実践してみて、更にその疑問が机上の空論なのか、あるいは臨床的な疑問に発展するのか試してほしい。臨床に落としこんでみると意外と解決すれうことが多い。臨床に落とし込まず、想像の域を超えない疑問は疑問ではない。

テクニックは臨床役立つためにある。臨床で使ってこそテクニックである。机上の理屈を事細かに並べても患者さんはよくならない。とにかく臨床に落としこんで患者さんと真摯に向き合うことが肝要である。


拳骨

2011年7月4日月曜日

身体との会話84・・・急性期の捻挫5


既にご存知の先生方も多いと思う。AMリサーチで出てくるねずみの研究である。人工的に作ったねずみの脊柱に炎症を起こさせて、AMIで直接矯正すると炎症がおさまる研究である。この研究はWFCの研究発表で最優秀賞を受賞した研究である。

さて、臨床でも同じような結果が出ている。過去にも同様のことがあったが、特別気にもかけずにいたが、セミナー前にプレゼンの準備を進めていて、アッハ~!!と気がついた。こういう事だったのか!! 納得の結果である。

人間での研究は行われていないので、詳細なメカニズムはわからず推測の域はでないが、臨床では多々みられることである。現在、このブログで症例報告をしている、急性期捻挫の炎症症状が当たり前のように改善する。

前回の写真は、受傷後の写真である。今回の写真は翌日の2回目の施術前の写真である。初回時の、赤外線の温度計測器で患部の皮膚温度を測定した。

初回術前 右26度 左33度 術後 右26度 左31度

2回目術前 右26度 左28度 術後 右26度 左28度

施術の前後で皮膚温の変化がみられた。当然痛みも軽減し関節機能も改善し、患側の足関節の運動も改善した。皮膚温度は炎症症状の一つの「発熱」と考えることができる。AMでの矯正後には顕著に皮膚温度の変化がみられたことは、脈管系に何らかの影響を与えたことになる。

もちろん、振動刺激は自律神経に影響をあたえるわけだから、当然といえば当然である。刺激に対する身体反応には諸説云々がたくさんある。そのなかでも痛み刺激による防衛反応が自律神経系を大きく乱すことは想像がつく。

例えば、痛み刺激に対して人の皮膚温は低下し心拍数は増加する。これは、痛み刺激が、副交感神経機能を抑制して心拍数を増加させる。また、交感神経α・β受容体系機能を高め末梢血管を収縮させ、心拍数を増加させるらしい。

したがって、人は捻挫などの痛みで、ドキドキして皮膚が冷たくなる。(痛み刺激を止めると皮膚温は3~4分で回復)これは交感神経が緊張したと考えられる。その痛みの原因に対して、「逃げようか、闘おうか」と、身体が判断している状態である。

おいおい待てよ・・・痛みで皮膚温が下がるなら勝手に炎症がおさまるだろう・・治療など必要ないだろう・・・そのようなご意見もあるだろう。次回に・・

拳骨

2011年6月28日火曜日

身体との会話83・・・急性期の捻挫4


この程度の捻挫は、現代医学のグレードは2位だろう。3以上では捻挫というより、靭帯断裂(部分的)になる。完全断裂かあるいは、それに近いものは手術の適応になる。我々の適応範囲を超えるものである。専門家に任せたほうがいい。術後の機能障害を見ていけばいい。

さて、グレード2くらいまでは我々の適応と考える。治療法によっては現代医学の捻挫治療より早期に回復させることができる。そのためには、捻挫(靭帯損傷)に目を向けず、捻挫による機能障害をしっかりと捉えて改善していくことである。

写真の選手は、受傷後4,5時間である。疼痛のために左足関節の自動運動が不可能であり、自立歩行も不可能である。レントゲン検査では骨折がないことが確認されている。2週間後の試合に何とか出場したくて来院した。

通称の整形外科の処置は、2度くらいからシーネ固定して安静を強いられる。後は自然治癒を待って、靭帯損傷をまつだけである。日常生活に支障がなくなるのに3~4週間を様子だろう。それを待っていると試合が終わってしまう。

競技にもよるが、怪我をごまかしてできる競技とできない競技がある。チームプレーなどは比較的ごまかしができる。ポジションを変えることもできる。100m走などのタイム記録を争う競技はごまかしが効かない。競技の特性を知ることも施術者としてある程度必要になる。

さて、写真の選手施術は、AMで施術をするときに、足部を持って#2に持って行くと痛がり、できない。どうしたものか? みなさん考えたかな? そんなに難しいことではない。このあたりの問題は、普段の臨床で漠然とするのではなく、常に今場合はどうしたりいのか考えて行うとすぐにいいアイデアが出てくる。

答えは、足首を持つことで解決できる。足首をもち、内顆で長短を評価する。あるいは、#1でモテもよい。セミナーでいつも言っていることである。ストレス、プレッシャーで#1でみる。これで十分評価できる。早速やってみること。

ベーシックが終わると、ほとんどの筋肉の緊張がなくなり疼痛も和らいでくる。この筋緊張は疼痛による防衛反応として、反射的に筋紡錘が緊張し、益々興奮が高まる伸張反射によるものである。筋紡錘の興奮が高まり、筋の緊張がたかまる靭帯の損傷部位の疼痛が増発する。疼痛が増発したことによって、更に筋紡錘の興奮して筋肉の緊張が高まる。この繰り返しである。

AMによる刺激は、神経反射を正常化させて興奮を抑制する効果がある。よって、反射も正常に反応し、筋緊張も弛緩する。弛緩すると筋紡錘の興奮も収まる。また、皮膚温度の変化も自律神経の影響によるもと考えられる。自律神経の異常で循環作用が影響し、炎症症状が悪化して皮膚温が高っくなっていると考える。

施術後は疼痛の緩和と、皮膚温の低下が見られる。AMの刺激は神経系への働きかけである。この神経系の働きは、各系の影響を与えることができる。ターゲットをどこに絞るかで治療の対象が明確にできる。

拳骨

2011年6月20日月曜日

身体との会話82・・・感性

昨日は心身条件反射の研究会に参加した。心身条件反射・・・このブログを呼んでいる方はご存知だと思うが、一つの治療テクニックである。治療テクニックというと技術的なイメージがあるが、技術であるが手技的な技術は要さない。

強いて言えば、神経反射をみることが技術である。この神経反射をみることは機械的な技術というより、感覚的な技術?が必要である。AMの足長検査の延長的なみかたである。それ故、足長検査が見れるようになると、神経反射をみることが向上してくる。

神経反射は、筋肉に反応する神経の興奮をみる。この神経の興奮は心理的な内なるものから、味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚の五感である。さらに第6感というものがある。これらの入力情報が神経を興奮させる。特に、この中で最も情報が優先されるのが視覚情報である。

よく言われる、見かけ、見てくれ、などの情報は第一印象として強く記憶される。色、形、バランスによって印象が変わり、心地良くなったり、不快になったりする。この情報の価値観は年令や性別、あるいは環境でも変わってくる。味覚異常もそうである。

この違いが聴覚に現れている。日本人は虫の鳴き声は「音色」と表現をする。しかし、欧米人は「ノイズ」と表現する。この音色には「風の音」「虫の鳴き声」「風鈴の音」「せせらぎの音」「枯れ葉が落ちる音」・・・沢山ある。芭蕉などは蛙が飛び込む音まで表現している。

これらの音色は40歳代以降の人には「音色」と聞こえる。違和感がない音である。しかし、この子なぢの人に違和感を感じ音は、電子音である。携帯電話、ゲーム機、電子機器のピッピ.ピッピ・・の音である。どうも良くない。目覚ましなどはこのノイズ的な音で不快感を与えて目を覚まさせるらしい。

しかし、30歳代以前の人はこの電子音に違和感を感じない人が多いという。生まれた時から電子音を聞いて育っているかと言われている。更に、自然の中での生活が不足して自然の音を聞くことが少なく、自然の音が分からない。そのようなことで年齢的な差で感性までも違ってくる。

感性は誰でも備わっているものである。ただ使わないとサボってしまい、働かない。よって五感の能力が低下する。味も人工的なものが好きになり、自然なものが変な味になる。本来、五感は毒や身体に悪い影響を与えるものを防ぐ働きをするための器官である。

例えば、視覚情報が優先されて、ある飲み物を見たときに苺色した水は、イチゴ味と思い、飲む前からイチゴ味がして、実際飲んでみるとイチゴ味になる。ただの水がイチゴ味になってしまう。匂いでも同じである。レモン匂いの水を匂いを嗅いで飲むと、ただの水がレモン味になる。

五感情報の一つだけで判断すると、レモン色した美味しそうな水が、実際は毒の入った水であっても飲んでしまうことを防ぐために、匂い、視覚、味覚といった情報を総合的に判断して安全か安全ではないかを見分ける仕組みである。

我々が人の体をみるには、やは一つの情報を鵜呑みにせず、五感を働かせてみることが必要である。情報を沢山引っ張り出すことが適切は判断ができる。神経反射も同用に五感プラス第6感を働かせてみるといい。

拳骨

2011年6月15日水曜日

身体との会話81・・・マラソンボランティア2

マラソンやランニングで起きる障害は下肢に集中する。最もである。足を使う競技である。同じランニング系でも長距離走と短距離系では障害が違ってくる。これについてはいろいろな説があるが、やは力学的な影響は否定出来ない。

症状的に見てみると、足部では中足骨の痛み、アキレス腱及び腓腹筋の痛み、鵞足炎、腸脛靭帯炎、下腿シンスプリント、下腿の骨膜炎、膝蓋骨周辺の痛み、大腿四頭筋の痛み、大腿筋膜張筋の痛み、梨状筋、中殿筋の痛み・・・こんな部位が痛みを起こす確率が高くなる。

今回のマラソンで多く見られたのが四頭筋、三頭筋、膝蓋骨周辺の痛みである。現代医学的にスポーツ障害の傷病名をつければ、膝蓋骨周囲炎、三頭筋挫傷、膝蓋靭帯炎などがある。今回の症例は、普段走っていない選手の多くに多い症状として、大腿四頭筋及び膝蓋靭帯炎を上げてみる。

診断法は膝の屈伸をすると膝蓋骨周辺(特に膝蓋骨の下、上)の靭帯の痛み。四頭筋の起始、停止部の痛みが多い。時にアキレス腱の痛みも増発する。これも痛みの部位を追いかけてはダメだ。

現代医学的なスポーツ障害の膝周辺の痛みは、四頭筋の緊張や筋力不足を指摘するが、ここで面白いのは左右比較してみると圧倒的に左が多い。簡単に右利き、左利きの利き足の影響と言い切れるか。右利きが力が強く、左は弱い。こんな単純な推論でいいのか。

こんな根拠で左足の障害が多くなるのか? では、左利きの人は必ず、右足が痛くなるのか? そうとは言い切れない。この疑問を解決するには神経学的に疑問を紐解いていくと納得出来るだろう。その結果、神経学的に治療を進めていけば簡単に痛みを取ることができる。

さて、膝蓋骨周辺の痛みはベーシックやアドバンスでほとんどが痛みが取れる。ベーシック終わった時点で80%は改善しているはずである。腹臥位になっていて#3に持っていくと四頭筋の緊張がある。ベーシックが終わった段階で、その四頭筋の緊張がどこまで取れているかで決まる。

7,8割の方がベーシックが終わった段階で踵が臀部につくくらいに四頭筋の緊張が取れていれば、屈伸したときの膝蓋骨周辺の痛みや、四頭筋の痛みが改善している。スポーツしない患者さんにこの現象を当てはめてみる。高齢者の膝痛、オスグッド、膝の水が貯まる・・全てにおいて同じような四頭筋の緊張が改善すれば痛みは軽減する。よって、基本的に症状別に治療法を変える必要はない。

ベーシックの重要性が理解できたはずである。ベーシックが終わって、立って、再度屈伸して再検査を行う。それで患者さんに満足した痛みの軽減が見られない場合は、今度は二点検査法を行う。この検査で痛みが代償的なものか、あるいは患部自体の損傷なのかがわかる。

患部自体の軟部組織の損傷はそれなりの手立ての治療を行う必要がある。しかし、患部に急性の外力が影響していない限りは二次的な代償性の痛みである。この見極めが早期改善につながる。二次的か、一時的かで治療のターゲットが変わる。

少し機械的な話になるが、関節運動を行うときには、関連した筋肉の働きがある。主動筋、拮抗筋などの関節の動きにともなって働きがある。この働きは、関節運動の位置や動きによって主動筋が拮抗筋になったり、共同筋になったりする。特に、実際の動きは三次元的な伸展、屈曲、回旋によって動く。単純に曲げ伸ばしではない。

教科書的には機械的なみかたになるが、実際は明確にこの角度は主動筋など細かく分けることは臨床的ではない。ここは、大雑把な検査法が生きてくる。この検査法も神経生理学的な減少を応用すると簡単にできる。

神経生理学的には、主動筋が活動すると拮抗筋は弛緩する「相反神経支配」や反射メカニズムには興奮と抑制がある。これを応用するとどちらが二次的な代償性の障害なのか、あるいは、抑制筋はどちらなのかが簡単に分かる。ここまでわかれば治療は主動筋なのか、拮抗筋なのか明確になる。詳しくは臨床研究会の講義で・・・お試しあれ。

拳骨

2011年6月13日月曜日

身体との会話80・・・マラソンボランティア1



昨日は夢マラボランティアご苦労さまでした。遠方からも参加していただき勉強熱心な姿勢が伺えました。また、福島より参加された先生は、ご自身が震災の被害を受けたにもかかわらず参加して頂き頭が下がります。終了後の慰労会では笑顔で世間話をしていましたが、心中は今だ辛いものがあると思います。一時でも和やかな雰囲気になれたかなと思います。

さて、参加者の治療の評価だが、急性期の症状が多くどうしても症状に目を奪われて本質的なところに目を向けることを忘れてしまった先生方が目に付く。どうしても症状の取りきれない先生方のチェックをすると、症状を追い掛け回している。

例えば、膝の外側部の痛み。ランニング、屈伸で増発する。現代医学の傷病名をつければ「腸脛靭帯炎」である。腸脛靭帯は膝の外側を通過して脛骨外側に付着している。(腱性組織)この靭帯がすり合うことで徐々に出現してくる。大腿筋膜張筋の過緊張が影響している。そこで、ベーシックでひと通り終わって、膝の治療に入り改善できないと、どうしても痛みの部位に目を奪われてしまう。

痛い部位を何とかしようと、痛い部位をターゲットに調整をするが、ほとんど効果はない。どうしても機械的に痛みの部位を見てしまう。更に、患者さんの「ここが痛い」という言葉にそこをなんとかしなければならないと汗ってしまう。ここまで来ると治療家はどこをどうしたらいいのか迷って治療が出来なくなる。

腸脛靭帯炎のメカニズムを理解すれば解決法は難しくない。大腿筋膜張筋の過緊張は腸腰筋などの大腿部の外旋筋が緊張を起こすと、二次的に大腿筋膜張筋が緊張する。要は、腸腰筋を緩めればいいのである。緩める方法はいろいろあるだろうが、AM臨床家はAMで神経機能を改善して緩める。

では、どうしたらいいのか? ベーシックをきちっと行う。このベーシックが取れているか、取れていないかで改善度が大きく違ってくる。チェックさせてもらったが、ほとんど取れていないかたがいる。これでは緊張はかぜんできない。

ベーシックが終わったらすぐに四肢のテクニックにはいって膝を見たがるが、その前に脊柱の側方、前方、ファセットをしっかり取りきることが肝要である。これが出来ていない。診ることもしない先生がいる。四肢はやることが無くなってからでいい。一番最後である。

脊柱が終わったら今度は、股関節周りを診る。腸腰筋、大腿筋膜張筋に関わっている部位である。ここまでしっかり見れると、膝の問題は改善している。それでも改善できあに場合は膝を見るといい。しかし、その必要な無いと思う。急性期でも慢性期でも患部の症状を追いかけないことが早期解決になる。


拳骨







2011年6月7日火曜日

身体との会話79・・・急性期の捻挫治療3




写真の選手はジャンプ動作の時に起こす捻挫の典型的な症例をである。ジャンプをして着地した際に他の選手の足や用具の上に着地をしてしまい捻挫をする。よくある発症原因である。特に多い競技はバレーボール、バスケット、棒高跳び、走り幅跳び、走り高跳びなどである。

写真の選手は受傷後3時間くらいしてからCCRKを受診した。整形外科や整骨院へは行かず、直接CCRKを受診した。受傷後すぐに現場でテーピングをっして固定されてきた。来院時は自立歩行不能、起立時の疼痛顕著、疼くような自発痛、患側の足関節の自動運動減少、腫脹中度、皮膚温39度(対側は28度)炎症が高度である。

捻挫の程度はCCRKの基準で2度、CCRKの治療の適応。有機的な検査で骨損傷の可能性あり。骨折の確認のため提携医療機関でレントゲン撮影にて骨折の確認依頼。専門医のレントゲン検査の結果、骨折なしの診断を得る。選手に専門医のレントゲン検査の結果に同意を得る。

専門医でのレントゲン検査後、再来院してもらいCCRKの初診の治療を行う。患部の関節運動は疼痛のためう可能である。よって通常の#2への移行運動は不可能である。さてどうしたらいいのか? ここで臨床上の応用である。AM臨床家が何を診るか? これさえぶれなければそんなに足関節を握る事ができないことは問題ではない。

杓子定規に左右差を診るために、#1、#2の手順で見なければならないと思うと、「私にはできません」になってしまう。一工夫してみることが必要である。いつも言っていることだが膝や足関節が動かせなければP#1でストレスT,プレッシャーTで十分可能である。これだけでも十分可能である。

今回は、その他に他の方法を使ってP#2に持って行き検査を行った。どんなやり方? 教えるのは簡単だが自分でも考えてみよう。12日マラソンボランティアにきて質問された方にこっそり教えるとしよう。(^o^)

いずれにせよ、このような急性期の治療は患部をいじらず、べ^シックをしっかり行う。必ずいいけかが出る。痛みの軽減はもちろん、可動域の改善もできる。患部など放っておけ。

拳骨

2011年6月3日金曜日

身体との会話78・・・急性期の捻挫治療2

さて、レントゲン検査の結果、骨折や完全な靭帯断裂が無いとわかれば、捻挫として治療ができる。レントゲン検査は必ずしも、骨折などの鑑別診断のためにあらず。患者さんとのコミニュケーションを構築する場合にも必要となることもある。

通常であれば中度の捻挫や骨折などは、シーネやギプスで固定され経過観察である。後は自然治癒力にお任せの治療である。当然時間がかかる。時間のある方はいいが、高校生のスポーツ選手など時間などあるはずもない。

数回の大会である。春の関東大会地区予選、県大会、関東大会、夏の総体の県予選、総体、選手権予選、選手権大会、秋季大会・・この程度ある。あくまでも予選があるとうことは、予選で敗退してしまったら終わり。

少ない試合に出たいのは誰でも同じである。多少の怪我は無理をしても出場したいのは当然である。軽微な捻挫など治療などしないことも多い。まして試合間近で怪我をしたら藁をも掴む気持ちで早く治したい。そんなときにどんな医療機関の選択ができるか。

一般的には、整形外科、整骨院、整体、カイロ・・こんな順位で選択されるのではないかと思う。あるいは、患者の満足が得られるず複数の医療機関を受信する選手も多い。中には大きなスポーツ外来がある大学病院や総合病院を受信することもある。

比較できるのものではないが、軽度な捻挫でも現場復帰までに時間がかかりすぎる。2,3週間は当たり前のようである。一にでも早く現場復帰をさせるような治療が必要である。そこで大切なのが症状の診方である。症状を病理で診るのか、機能で見るか。

病理で診たら我々は専門外なのでお手上げである。我々の治療の対象は機能障害である。病理と機能を分別付けて診ることが早期改善になる。また、痛みと病理も分けて考えることが必要である。セミナーの下肢長神経学で軽く話をしたが、初期の痛みと二次的な痛みの経路が違うことを理解してほしい。

治療の対象とする痛みは二次的な痛みである。この痛みは各系の機能的な異常によって引き起こされているので、十分我々の治療対象になる。また、この二次的な痛みは、患部の代償的なものの痛みと考えることもできる。そのことは臨床的みても矛盾がない。

さて、治療だがいつも言っているように患部を症状を追いかけないことが肝要である。患部に対する治療は最後でいい。まして、腫脹がある状態の患部にアジャストは避けるべきである。患部は二の次である。では何をしたらいいのか・・・AMなら簡単に答えは出る。ベーシックをしっかり行うことである。

拳骨

2011年6月1日水曜日

身体との会話77・・・実践の場

理屈抜きの実践の場がやってた。そうです、毎年恒例の夢の島マラソンボランティア。理屈抜きで症状を抱えた選手(患者)をその場で何とかする。言い訳の通らない実践的な場です。ヒゲのインストラクターはセミナーであんな事言っているが、本当に治せるのか?

AMって本当に効果があるのか? スポーツ障害の治療はどんな事するのか?  何か特別な治療法があるのか? 臨床でうまく治せない? 膝の治療はどうしたらいいのか?ランニング特有の治療は? いろいろな疑問、難問が解決できるチャンスだ。

認定者でも臨床ではいまいちだが、どうしたら効果をだせるのか・・・腕を上げたい認定者は恥をかいて腕を上げる場所です。マラソンボランティアで技術が飛躍した先生方がたくさんいます。今年は参加者が少ないようだからインストラクターから細かい指導が受けられるかもしれない・・

このチャンスを活かすも殺すも自分次第だ。もちろんアシスタントとして先輩方の治療を見るだけでも勉強になる。10の理屈を知ることも大切だが1の実践も絶大なる効果がある。そんなマラソンボランティアだ。

日時 6月11、12

マラソンの公式サイト

http://www.r-wellness.com/eventguide/2011tokyo.html



ボランティア申し込み、問い合わせ先
陽開カイロプラクティック 山中まで
http://www.hikaichiro.com/

info@hikaichiro.com


拳骨

2011年5月30日月曜日

身体との会話76・・急性期の捻挫治療1

おおかたのカイロのオフィスには急性期の捻挫や骨折の患者はこないと思う。柔整などの看板をあげていれば話は別だが。当院は急性期の患者が訪れる。もちろん柔整の資格は持っているので法的に触れることはない。

もし、資格のないオフィスに訪れたらどうしたらいいのか? 例えば捻挫をしてすぐに来院し「先生のところで治療をしてほしい」と来た場合は? 診断権は無いので診断はできない。いくら患者が希望しても診断はできないので、その場で治療を行うまえに医師の診断、あるいはレントゲンなどの検査はやっておくべきだろう。

その上で治療を行う。さらに、この際の治療は「捻挫の治療」ではないことを理解する。ここが大切なポイントである。いくつかの国家医療資格以外は外傷の治療を行うことはできない。よって診断名に対する治療はできないということである。このことは患者とのコミニュケーションをはかり同意を得ることが大切である。のちの信頼関係につながる。

「捻挫」の治療を行わないで何を治療するのか? 患者は捻挫を早く直して試合に出たいから、捻挫を治してもらいたいのである。しかし、資格の無い治療家は治療はできない。ここで施術者が理解することは「捻挫」の治療ではなく「機能障害」の改善である。

捻挫を病理的に見ると、靭帯の部分断裂である。その度合によって手術、固定などの外科的な処置が施される。靭帯の損傷はある程度の時間が必要である。損傷した靭帯の修復はその人の自然治癒力の能力によって早くも、遅くにもなる。そこで思い出してほしい。

手技療法の多くの謳い文句は「自然治癒力」・・聞いたことがあるはずである。既にホームページ等で謳っている先生方もいるはずである。その自然治癒力のメカニズムを知っているか知らないかは別として。このことから靭帯損傷でも早期回復は外科的な治療以外でも可能であることが予測できる。予測というより、既に臨床ではその効果は体験済みであるはずである。

さて、捻挫をするとその痛みで情動的にも影響する。このことは神経学的に痛みの経路の違いで、刺激(外力)が加わった瞬間の痛みと、その後にじわじわ訪れる痛みとは別ものである。このことはセミナーでも話をした。寝ていない方はある程度理解したと思う。

よって、痛みは早期に取り除く、あるいは少しでも軽減することが必須である。のちのちの予後に影響する。そこで手技療法がどれだけ痛みを軽減できるかが問題である。「捻挫」という病理だけ見ると、特に急性の場合は安静が必須と考える。「安静=固定」これもか違いではない。場合によっては必要な処置である。捻挫の度合いによる。

「捻挫」を損傷の程度で3度くらいに分けている。通常、我々が扱える程度は2度くらい迄である。3度くらいになると手術の適応になることもある。この場合は捻挫というより靭帯断裂である。この2度程度までの急性期の捻挫をカイロの適応として治療を行って早期回復つなげるか現在治療中の症例をあげて、次回から検証してみる。

拳骨

2011年5月26日木曜日

身体との会話・・・拳骨日記: 身体との会話75・・セミナーで恥をかくべし

臨床家向けのブログ「拳骨日記」・・身体との会話・・アドレスが変わりました

これからもご愛読よろしくお願いします

身体との会話・・・拳骨日記: 身体との会話75・・セミナーで恥をかくべし

身体との会話75・・セミナーで恥をかくべし

セミナーの実技ではテーブルをいくつかのグループに分けて、それぞれグループのテーマごとに行う。そのうち、臨床のテーブルがある。このテーブルは受講生が患者役とDr役になり、患者の実際の症状を改善する実践的な実技である。

小生も数多くのテクニックセミナーに参加したが、ここまで実践的に実技を行うセミナーに出会ったことがない。中には、手順だけ説明して終わるセミナーもある。講師の一方的な講義で終始するものもある。

AMの臨床効果をその場で体験できる唯一のセミナーである。それがAMI本部公認セミナーである。マニュアル的にハウツーを一方的に教えても受講生は何も吸収できないだろう。実技も同じで手とり、足取りと親切丁寧に指導しても身につかないものである。

出来れば受講生も毎回受講するに当たり各テーマを持って受講するといい。あるいは、こんな所をチェックしてほしい。臨床でこんな症状が改善できない・・・セミナーは臨床の疑問を投げかけて解決策を見出す場所でもある。

受講料を払ったのだから、一から十まで親切丁寧に教えてもらうのが当たり前だと思っている方は進歩しないだろう。そんなこともあり(あくまでも小生の考えである。スタッフ全員がそうとは考えていないと思うが・・)セミナーでは受講生が考えて実技を進めていくことが多い。

貪欲な受講生は、インストラクターが回っていくと「チェックして下さい」と声をかけられることがある。インストラクターにとっては嬉しいことである。まっ・・声をかける先生方は(^_^;)だろうが、そこは勇気を出して声をかけてほしい。なにより自分のためである。

ひとつのグループは約5,6人~78人である。チェックを依頼する先生は勇気がいる。初めて顔を合わせる先生やベテランの先生、あるいは初受講生の先生と様々な先生がいる中で、自分が治療した先生の症状の改善や神系関節機能障害の改善が出来ているか再確認してもらいわけだから・・・

チャックしてみると、多くの先生方は症状が取り切れていない事が多い。原因は? 神経関節機能障害が適切に取り切れていないからである。自分では反応がなくなり取りきれていると思ってもそうでないことがおおい。基本的なことが原因である。

特別、患者役をした先生が特別な症状を持っている訳でもない。基本的なこと・・・下肢長検査である。下肢長検査のエラーで見逃しているだけである。今回も何人かの先生をチェックしたがいずれも基本がおろそかである。

オフィスでの臨床は一人親方で誰もチェックしてくれる人がいないので、仕方ないことだが、そこそこ臨床効果が出てくると天狗になる。これは受講生だけでのことではない。小生とて同じである。それこそインストラクターなどとみられていると思わず、足元の小石にも気づかず躓くだろう。

セミナーは臨床の疑問、難治な症例の解決策を見出すヒントを見つける話と考えて、どんどん質問をしてほしい。臨床は正解の無い問題にチャレンジして訳なので、正解を求めて質問しても正解は期待しないほうがいい。しかし、正解でなくても大きなヒントになるだろう。

今回、チェックをされた先生方は気づいたはずである。小生と自分がどこが違うか? 基本が出来ているか出来ていないかの違いだけである。凹んだ先生方には次回もチェックさせていただく。かなり成長しているはずである。

拳骨

2011年5月25日水曜日

身体との会話74

大阪セミナーお疲れさまでした。そういえば大阪セミナーも4年目でした。関西地区の受講生も年々増えてきている。ありがたい事である。ひとりでも多くのAM臨床家を育てたいものである。それが社会貢献につながることと確信している。




さて、今回はたくさんの受講生の参加で会場が狭いくらいであった。受講生にはご不便をかけ不自由な思いをされた方もいるだろう。申し訳ない。特に今回は初めての方を含めて受講回数の少ない先生方が多かった。そいう意味では我々スタッフもいい刺激になった。



反面、複数回受講生の先生方は中だるみの気配を感じた。認定取得後の目標がなくなった中だるみかもしれない。Am臨床は認定取得がスタートであり、そこからが本当の勉強である。もちろん認定取得することは術者も患者さんも価値観が上がることは間違いない。しかし、それで満足しては終わりである。



認定者の先生方には、スタッフはあまり実技指導はしない。何故か? 自分で自分の不足分に気づいてもらいたいのである。技術的は不足分に気づかないのは進歩がない。それで終わりである。臨床で効果を出す先生と出さない先生の違いに、どんなところに差があるのか気づくない方は、何時まで経っても自己満足で終ってしまう。そんな治療は患者さんにも満足な結果をだしていないはずである。



臨床で躓くことは必ずある。その疑問や技術の不足分をセミナーに参加してスタッフにチェクしてもらうことが重要である。自分の未熟さをさらけ出して質問し、チェックしてもらう。受講生の前で恥を偲んで自分の未熟さをさらけ出してもらいたい。そんな勇気ももって受講してスタッフに声をかけてほしい。そのためにあえて手とり、足取りの指導はしない。



今回も2,3の先生方に恥をかいてもらった。かなり凹んだはずだ。他の先生が見ている中で凹まされるのは辛いし、悔しい。しかし、その悔しさを跳ね返して飛躍してほしい。小生がチェックした先生方の共通して修正して欲しいのは、基本である。足長検査、CP、LOD・・・特にコンタクトのプッシュプルが甘い。



CPが適切でも強制する瞬間に緩んでしまい、振動がうまく伝わっていないように見受ける。これだけ修正してもかなり矯正がうまくいくはずである。参考にしてほしい。





初めて受講された方は、ボリュウムが多くて消化不良している方もいるだろう。手順を覚えるのは学問であるから理屈抜きで覚えればいいことである。次回の受講するまでに手順は覚えることで、セミナーも手順以外のことを学ぶことに集中できる。時間の節約になる。



基本である下肢長検査で左右差の変化を見切れることは、少し時間のかかることである。基本は左右差の違いを見ることであるが、左右差の違いばかりに気を取られると神経反射の反応が感じ取りにくくなる。客観的な可視化された左右差がわかるのがAMの売り物であるが、この左右差は神系の反応であることを忘れてはならない。



下肢長検査のコツというか、習得するには左右差に目を奪われないことである。意識の中で左右のどちらが長いか、短いかを集中すると、足の長さばかり視覚情報が働き体で感じることが出来なくなる。集中することはいいことだが下肢長検査で何を見るか、左右差を見る以外に神経反射の異常を感じることもわからなくてはならない。



左右差ばかり集中すると視覚情報が優先して身体感覚が疎かになる。神経反射の異常を先に感じ取ることが優先したほうがいい。左右差はその後に見えるようになる。とにかく練習して体で感じることである。





拳骨



http://blog.goo.ne.jp/gennkotu_1955

このことは過去ログにも、なんども記載してあるので参考にしてほしい。