2012年2月20日月曜日

身体との会話110・・・ICC国際コ-チング3

ICC国際コーチングのモジュール2を受講した。「インナーゲーム」はご存知の方は多いと思う。本では読んで面白い本だった。だが実際に自分で体験してみるもっと面白い。どんなことを体験したかと言うと、後ろのバケツに丸めた紙を後ろ向きで放り投げてバケツに入れる。

ただ投げても何遍かやっていれば入るだろうが、ここは入る入らないを競うことではなく、コーチ役から「現状」という情報を聞き入れた、その現状を修正しながら次の戦略をイメージする。そのイメージに身体をあずけて後ろのバケツに放り込むことを繰り返し入るまで入れる。

この時に意識と無意識の問答が始まるが、いかに無意識に体を預ける事ができるかで身体を無意識に置くことができる。「無の境地」とでもいいのか投げる体感覚がリラックスできて非常に気持ちが良い。

ここで大切なのは何か? スポーツ経験者なら一度は経験したことがあると思う。プレッシャーで緊張して身体が動かない。試合前になると緊張して身体が動かない。このときの身体は相反神経が崩れて反射システムが機能しない状態、すなわち「共縮」が起きている。この恐縮は意識が働きすぎると反射機能が働かなくなる神経生理学的な現象が起きている。

意識と無意識をインナーゲームではセルフ1とセルフ2で表現している。無意識をもう一人の自分ということである。日頃から色々なことを考えているのことで、意識が無意識に問いかけているのだが、普通は気が付かない方が多い。

現在はどうか分からないが、小生が学生時代はスポーツのコーチや指導者は、フォームや技術的な動きを事細かに指導していた。この時、選手はイメージすることより理屈でこの動きはこうだといったように頭に一生懸命叩きこむ。あくまでもフォームの矯正とか動きの再確認みたいなことをする。しかし、これだと時間がかったり、改善できない事が多いようだ。

インナーゲームは最初投げ入れた紙クズが外れた場合に、コーチが現状だけを情報として提供してくれる。クライアントはその情報を元に、位置修正したり、修正した軌道をイメージしてバケツに入るイメージをして、バケツに入れるための戦略を再構築する。

この時のイメージはクライアントの直感的な感性が入ってくる。この直感的な感覚は無意識である。セルフ2が感覚的なイメージを作ってくれる。クライアントによってこのイメージは様々なイメージができるが正解はない。

あるクライアントは投げ方をイメージしながらこの角度でこの方向に、力はこのくらいなどとイメージする人もいる。他のクライアントはバケツに入る軌道をから入った瞬間まで、更に入ったときの感動や喜びも感覚的にイメージしている人もいる。

このイメージをどこにイメージするかで軌道修正の方向性が変わってくる。当然結果も変わってくる。イメージが全体像をしっかり捉えて紙くずの軌道、そして入る瞬間、入ったときの音、入ったときの喜び、更にコーチと一緒に喜んで歓声を上げている・・ここまでイメージすると目的達成が現実化するし、プロセスゴールの価値を高める。

方や、軌道修正するために腕をこの角度で、これだけの力で、距離は◯◯センチ、右方向に50センチなどと事細かにイメージすると意識が優先して本来のSelf2働きかけることが出来ず、意識だけの身体行動になって、共縮現象がおきて腕のふりが固まって、更に緊張がコントロールを悪くすることになる。

本来のSelf1とSelf2との問答で、意識より無意識を優先して身体行動を行う事が、動物的な本能行動、つまり自然な動き、スムーズな動きになる。ゴルフや野球でイップスと言われる現象はこの意識と無意識との葛藤であり、意識優先の行動が起こさせている現象とだろう。

Self1の意識的な思考を計画し目標を設定して、Self2に問いかけて無意識の本能的なものを信頼して行動に移す事が自然体で有り無欲の境地に誘うことになるだろう。


拳骨

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